レッスン 2 15分

数式の基本:SUMとAVERAGEの先へ

IF、SUMIF、COUNTIF、テキスト関数など、条件ロジックと集計の基本をマスターする。

40時間を救った数式

ある経理チームは毎月3,000件の経費トランザクションを手作業で分類していた。「10万円未満は小口現金。10万円以上50万円未満は課長承認。50万円以上は部長承認。」毎月40時間の作業。

ネストしたIF関数1つで、3,000件の分類が1秒もかからず完了するようになった。=IF(A2<100000, "小口現金", IF(A2<500000, "課長承認", "部長承認"))。チームは毎月まるまる1週間を取り戻した。

🔄 前のレッスンで、ほとんどのユーザーがレベル1〜2(SUM、AVERAGE、基本書式)にとどまっていることを確認した。今回はレベル2〜3に進む——条件ロジックと条件付き集計でスプレッドシートに「知性」を加える。

IF関数:スプレッドシートに判断力を与える

IF関数は3つのパートで構成される:=IF(条件, 真の場合, 偽の場合)

基本例: =IF(B2>90, "A", "A未満") —— B2のスコアが90を超えたら"A"、そうでなければ"A未満"。

ネストIF(複数条件): =IF(B2>90, "A", IF(B2>80, "B", IF(B2>70, "C", "F"))) —— A、B、C、Fの4段階評価。

AND/ORとの組み合わせ: =IF(AND(B2>80, C2="完了"), "合格", "不合格") —— スコア80以上かつステータスが"完了"のときだけ合格。

以下の条件でデータを分類する数式を書いてください:
[条件を記述]

ExcelとGoogleスプレッドシート両方で使える数式で、
各部分の説明も付けてください。

Quick Check: 売上が100万円超なら"High"、50万円〜100万円なら"Medium"、50万円未満なら"Low"とラベル付けするIF数式はどう書く?

SUMIF系関数:条件付き計算

SUMIF:条件1つで合計

=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)

例:「北海道」地域の売上合計: =SUMIF(A2:A100, "北海道", C2:C100)

A列が"北海道"の行に対応するC列の値を合計する。

SUMIFS:複数条件で合計

=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2)

例:「北海道」地域の「1月」の売上合計: =SUMIFS(C2:C100, A2:A100, "北海道", B2:B100, "1月")

COUNTIF / COUNTIFS:条件付きカウント

同じロジックで、合計ではなく件数をカウント:

=COUNTIF(A2:A100, "北海道") —— 北海道のエントリ数 =COUNTIFS(A2:A100, "北海道", D2:D100, ">100000") —— 北海道で10万円超のエントリ数

AVERAGEIF:条件付き平均

=AVERAGEIF(A2:A100, "北海道", C2:C100) —— 北海道地域の平均売上

関数機能使用例
SUMIF1条件で合計地域別の売上合計
SUMIFS複数条件で合計地域×月別の売上合計
COUNTIF1条件でカウント商品別の注文件数
COUNTIFS複数条件でカウント商品×四半期別の注文件数
AVERAGEIF1条件で平均カテゴリ別の平均単価

Quick Check: 社員リスト(部門と給与のデータ)がある。マーケティング部門だけの平均給与を計算するにはどの関数を使う?

テキスト関数:文字列の操作

スプレッドシートは数値だけでなくテキストも扱える。データのクリーニングや結合に不可欠な関数群だ。

結合(CONCATENATE / &演算子)

=A2 & " " & B2 —— 姓と名をスペース区切りで結合。 新しいバージョンでは =TEXTJOIN(" ", TRUE, A2, B2) も使える。

抽出(LEFT, RIGHT, MID)

  • =LEFT(A2, 3) —— 先頭3文字
  • =RIGHT(A2, 4) —— 末尾4文字
  • =MID(A2, 5, 3) —— 5文字目から3文字

クリーニング(TRIM, CLEAN)

  • =TRIM(A2) —— 余計なスペースを除去
  • =CLEAN(A2) —— 印刷不可文字を除去

インポートデータやコピペ由来のデータには必須のテクニック。

AIで数式を書く

AIの真価は「翻訳」にある——やりたいことを日本語で伝え、数式を返してもらう。

以下の列にデータがあります:
- A列:社員名
- B列:部門
- C列:給与
- D列:入社日
- E列:評価(1〜5)

次の数式を書いてください:
1. マーケティング部門の給与合計
2. 評価4以上の社員数
3. 2023年以降入社の社員の平均給与
4. 姓(F列)と名(G列)を結合したフルネーム
5. 給与を「高」(>1000万)、「中」(600万〜1000万)、「低」(<600万)に分類

ExcelとGoogleスプレッドシートで異なる場合は両方教えてください。

よくある数式エラーと対処法

エラー意味対処法
#REF!削除されたセルへの参照セル参照を確認
#VALUE!データ型の不一致数値フィールドにテキストがないか確認
#N/A検索値が見つからないタイポや余計なスペースを確認
#DIV/0!ゼロ除算IFERRORかIF条件でラップ
#NAME?関数名のスペルミススペルを確認

IFERRORのセーフティネット: =IFERROR(数式, "エラー") —— 見苦しいエラーコードの代わりに「エラー」と表示。

Key Takeaways

  • IF関数はスプレッドシートに判断ロジックを加え、自動分類や条件分岐を実現する
  • SUMIF/COUNTIF/AVERAGEIFで、手動フィルタなしに条件付き計算が可能
  • SUMIFSは複数条件を同時に扱え、複雑な分析に強い
  • テキスト関数(CONCATENATE、TRIM、LEFT/RIGHT)はデータのクリーニングと整形に不可欠
  • IFERRORで数式にエラー時の安全策を付ける
  • AIに日本語で説明するだけで、実用的な数式が即座に得られる

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レッスン3:データ整理とテーブル設計では、正しいデータ構造を学ぶ。どんなに優れた数式も、構造が悪いデータの上では機能しない。分析の土台を作ろう。

理解度チェック

1. IF関数の役割として正しいのは?

2. SUMIFとSUMIFSの違いは?

すべての問題に答えてから確認できます

まず上のクイズを完了してください

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