数式の基本:SUMとAVERAGEの先へ
IF、SUMIF、COUNTIF、テキスト関数など、条件ロジックと集計の基本をマスターする。
40時間を救った数式
ある経理チームは毎月3,000件の経費トランザクションを手作業で分類していた。「10万円未満は小口現金。10万円以上50万円未満は課長承認。50万円以上は部長承認。」毎月40時間の作業。
ネストしたIF関数1つで、3,000件の分類が1秒もかからず完了するようになった。=IF(A2<100000, "小口現金", IF(A2<500000, "課長承認", "部長承認"))。チームは毎月まるまる1週間を取り戻した。
🔄 前のレッスンで、ほとんどのユーザーがレベル1〜2(SUM、AVERAGE、基本書式)にとどまっていることを確認した。今回はレベル2〜3に進む——条件ロジックと条件付き集計でスプレッドシートに「知性」を加える。
IF関数:スプレッドシートに判断力を与える
IF関数は3つのパートで構成される:=IF(条件, 真の場合, 偽の場合)
基本例:
=IF(B2>90, "A", "A未満") —— B2のスコアが90を超えたら"A"、そうでなければ"A未満"。
ネストIF(複数条件):
=IF(B2>90, "A", IF(B2>80, "B", IF(B2>70, "C", "F"))) —— A、B、C、Fの4段階評価。
AND/ORとの組み合わせ:
=IF(AND(B2>80, C2="完了"), "合格", "不合格") —— スコア80以上かつステータスが"完了"のときだけ合格。
以下の条件でデータを分類する数式を書いてください:
[条件を記述]
ExcelとGoogleスプレッドシート両方で使える数式で、
各部分の説明も付けてください。
✅ Quick Check: 売上が100万円超なら"High"、50万円〜100万円なら"Medium"、50万円未満なら"Low"とラベル付けするIF数式はどう書く?
SUMIF系関数:条件付き計算
SUMIF:条件1つで合計
=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)
例:「北海道」地域の売上合計:
=SUMIF(A2:A100, "北海道", C2:C100)
A列が"北海道"の行に対応するC列の値を合計する。
SUMIFS:複数条件で合計
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2)
例:「北海道」地域の「1月」の売上合計:
=SUMIFS(C2:C100, A2:A100, "北海道", B2:B100, "1月")
COUNTIF / COUNTIFS:条件付きカウント
同じロジックで、合計ではなく件数をカウント:
=COUNTIF(A2:A100, "北海道") —— 北海道のエントリ数
=COUNTIFS(A2:A100, "北海道", D2:D100, ">100000") —— 北海道で10万円超のエントリ数
AVERAGEIF:条件付き平均
=AVERAGEIF(A2:A100, "北海道", C2:C100) —— 北海道地域の平均売上
| 関数 | 機能 | 使用例 |
|---|---|---|
| SUMIF | 1条件で合計 | 地域別の売上合計 |
| SUMIFS | 複数条件で合計 | 地域×月別の売上合計 |
| COUNTIF | 1条件でカウント | 商品別の注文件数 |
| COUNTIFS | 複数条件でカウント | 商品×四半期別の注文件数 |
| AVERAGEIF | 1条件で平均 | カテゴリ別の平均単価 |
✅ Quick Check: 社員リスト(部門と給与のデータ)がある。マーケティング部門だけの平均給与を計算するにはどの関数を使う?
テキスト関数:文字列の操作
スプレッドシートは数値だけでなくテキストも扱える。データのクリーニングや結合に不可欠な関数群だ。
結合(CONCATENATE / &演算子)
=A2 & " " & B2 —— 姓と名をスペース区切りで結合。
新しいバージョンでは =TEXTJOIN(" ", TRUE, A2, B2) も使える。
抽出(LEFT, RIGHT, MID)
=LEFT(A2, 3)—— 先頭3文字=RIGHT(A2, 4)—— 末尾4文字=MID(A2, 5, 3)—— 5文字目から3文字
クリーニング(TRIM, CLEAN)
=TRIM(A2)—— 余計なスペースを除去=CLEAN(A2)—— 印刷不可文字を除去
インポートデータやコピペ由来のデータには必須のテクニック。
AIで数式を書く
AIの真価は「翻訳」にある——やりたいことを日本語で伝え、数式を返してもらう。
以下の列にデータがあります:
- A列:社員名
- B列:部門
- C列:給与
- D列:入社日
- E列:評価(1〜5)
次の数式を書いてください:
1. マーケティング部門の給与合計
2. 評価4以上の社員数
3. 2023年以降入社の社員の平均給与
4. 姓(F列)と名(G列)を結合したフルネーム
5. 給与を「高」(>1000万)、「中」(600万〜1000万)、「低」(<600万)に分類
ExcelとGoogleスプレッドシートで異なる場合は両方教えてください。
よくある数式エラーと対処法
| エラー | 意味 | 対処法 |
|---|---|---|
| #REF! | 削除されたセルへの参照 | セル参照を確認 |
| #VALUE! | データ型の不一致 | 数値フィールドにテキストがないか確認 |
| #N/A | 検索値が見つからない | タイポや余計なスペースを確認 |
| #DIV/0! | ゼロ除算 | IFERRORかIF条件でラップ |
| #NAME? | 関数名のスペルミス | スペルを確認 |
IFERRORのセーフティネット:
=IFERROR(数式, "エラー") —— 見苦しいエラーコードの代わりに「エラー」と表示。
Key Takeaways
- IF関数はスプレッドシートに判断ロジックを加え、自動分類や条件分岐を実現する
- SUMIF/COUNTIF/AVERAGEIFで、手動フィルタなしに条件付き計算が可能
- SUMIFSは複数条件を同時に扱え、複雑な分析に強い
- テキスト関数(CONCATENATE、TRIM、LEFT/RIGHT)はデータのクリーニングと整形に不可欠
- IFERRORで数式にエラー時の安全策を付ける
- AIに日本語で説明するだけで、実用的な数式が即座に得られる
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