データの可視化とダッシュボード設計
正しいグラフの選び方、条件付き書式、ダッシュボードの設計原則で、数字を「伝わる」情報に変える。
嘘をついたグラフ
売上グラフは劇的な上昇トレンドを示していた。売上は急上昇。社長は大喜び。しかしある人が気づいた:Y軸が¥0からではなく¥9,500万から始まっていたのだ。実際の増加は3%——正しいスケールのグラフではほぼ水平線。グラフは技術的に正確だったが、視覚的には誤解を招いていた。
🔄 前のレッスンでピボットテーブルを使いデータを動的に要約した。スライサーでインタラクティブなフィルタリングを覚えているだろうか?今回はその上にビジュアルレイヤーを乗せる——ピボットテーブルと連動するグラフ、そしてパターンを即座に浮かび上がらせる条件付き書式だ。
正しいグラフの選び方
| データストーリー | 最適なグラフ | 例 |
|---|---|---|
| カテゴリ間の比較 | 棒グラフ/列グラフ | 地域別売上、部門別予算 |
| 時系列の変化 | 折れ線グラフ | 月次売上推移、週次ユーザー数 |
| 全体に対する割合 | 円グラフ(最大5〜6項目) | 市場シェア、予算配分 |
| 変数間の関係 | 散布図 | 広告費 vs 売上 |
| 分布の把握 | ヒストグラム | 社員の年齢分布、給与帯 |
| 単一の重要指標 | 大きな数字+コンテキスト | 月次売上+前月比 |
避けるべきグラフ:
- 3Dグラフ:比率が歪み、読みにくい
- 項目が多すぎる円グラフ:6項目を超えると判読不能
- 二軸グラフ:混乱の元。代わりにグラフを2つに分ける
以下のデータを可視化したい:
[データの内容と伝えたいインサイトを説明]
以下を提案してください:
1. 最適なグラフの種類とその理由
2. 各軸に何を置くか
3. タイトルの付け方(データのラベルではなくインサイトを述べる)
4. 書式設定の推奨
5. この可視化でやってはいけないこと
✅ Quick Check: 自社の市場シェアを競合3社と比較したい。どのグラフを使う?なぜ折れ線グラフではだめか?
グラフデザインの原則
タイトル = インサイト
悪い例: 「四半期別売上」 良い例: 「Q3の売上が23%成長、法人セグメントがけん引」
タイトルはオーディエンスに「このグラフから何を読み取るべきか」を伝えるべき。
ノイズを最小化する
情報を追加しないものは削除:
- グリッド線を削除(または非常に薄く)
- グラフの外枠を削除
- 軸ラベルが明確なら凡例を縮小
- 凡例の代わりにデータポイントに直接ラベルを付ける
色は目的を持って使う
- 大半のデータには1色、ハイライトしたい部分に対照的な色
- 1グラフに5〜6色以上使わない
- 色覚バリアフリーのパレットを使う(赤/緑の組み合わせを避ける)
- 重要でないデータはグレーにして注目点を際立たせる
Y軸はゼロから
分析上の特別な理由がない限り、Y軸はゼロから始める。軸を切ると小さな差異が誇張され、見る人を誤解させる。
条件付き書式
数値をビジュアルパターンに変える技術。
カラースケール
セル範囲にグラデーション(緑→赤、青→白など)を適用。最大値が一方の色、最小値がもう一方。
Excel: ホーム → 条件付き書式 → カラースケール Googleスプレッドシート: 表示形式 → 条件付き書式 → カラースケール
データバー
セル内にミニ棒グラフを値に比例して表示。
Excel: ホーム → 条件付き書式 → データバー
アイコンセット
値のしきい値に基づいてシンボル(矢印、信号、星)を表示。
例: 目標超過は緑↑、順調は黄→、未達は赤↓。
✅ Quick Check: 50人の営業担当の月次目標と実績の表がある。目標超過・順調・未達をひと目でわかるようにするには、条件付き書式をどう設定する?
ダッシュボード設計の基本
ダッシュボードは複数のグラフと主要指標を1つのシート/画面に統合したもの。
レイアウト
上段:主要指標(大きな数字)
[売上合計] [受注件数] [平均単価] [成長率%]
中段:メインチャート(最も重要で大きい)
[売上トレンド折れ線グラフ] [地域別売上棒グラフ]
下段:補足情報
[商品別ランキング表] [直近の注文テーブル]
ダッシュボード設計ルール
- 最も重要な情報は左上に(視線が最初に行く場所)
- ビジュアル要素は最大6〜8個(それ以上は認知過負荷)
- すべてのグラフで一貫した書式(同じ色、フォント、スタイル)
- スライサー/フィルターでインタラクティブに(前レッスンのスライサー)
- 1つのダッシュボードに1つの目的(「売上ダッシュボード」であって「全部入りダッシュボード」ではない)
ピボットテーブルとグラフの連携
ピボットテーブルからグラフを作ると、ピボットテーブルの更新に合わせてグラフも自動更新される。
手順:
- ピボットテーブルを構築(レッスン5)
- ピボットテーブルを選択
- 挿入 → グラフ
- グラフはピボットテーブルにリンクされる
- フィルターやレイアウトを変更するとグラフも即座に反映
Key Takeaways
- グラフの種類はデータのストーリーに合わせる:棒=比較、折れ線=トレンド、円=構成比
- タイトルはデータのラベルではなくインサイトを述べる
- グラフのノイズを最小化:グリッド線削除、色を絞る、直接ラベル
- 条件付き書式で数値を即座にビジュアルパターンに変換(カラースケール、データバー、アイコン)
- ダッシュボードは明確な目的を持ち、6〜8個以下のビジュアル要素で構成
- ピボットテーブルにリンクされたグラフはデータ変更時に自動更新される
Up Next
レッスン7:テンプレート・自動化・ワークフロー設計では、一度作ったら繰り返し使える仕組みを構築する。「毎週ゼロから作り直す」を「データを入れるだけ」に変えよう。
理解度チェック
まず上のクイズを完了してください
レッスン完了!