Few-Shot学習
AIに例を見せてパターンを学習させるFew-Shotテクニック。Zero-Shot、One-Shot、Few-Shotの使い分けと実務での活用法。
百の説明より一つの例
🔄 Quick Recall: レッスン3でペルソナ設定の4要素と「壁打ち」テクニックを学びました。今回は、AIにパターンを教えるもう一つの強力な手法です。
「こういう形式で出力して」と言葉で説明するよりも、「こういう入力に対して、こう出力して。例えばこんな感じ」と実例を見せた方が、AIは圧倒的に正確に理解します。
これがFew-Shot学習です。
Zero-Shot / One-Shot / Few-Shotの違い
| 手法 | 例の数 | 使いどころ |
|---|---|---|
| Zero-Shot | 0個 | 簡単なタスク、AIが得意な定型処理 |
| One-Shot | 1個 | 出力形式を軽く示したいとき |
| Few-Shot | 2〜5個 | 品質・形式・判断基準を精密にコントロールしたいとき |
Zero-Shot(例なし):
以下の顧客フィードバックを「肯定的」「中立」「否定的」に分類してください。
One-Shot(例1つ):
以下の顧客フィードバックを分類してください。
例:
入力:「配送が早くて助かった」
→ 肯定的(理由:サービスへの感謝を表明)
では:「商品は良いけど梱包が雑だった」
Few-Shot(例3つ):
以下の顧客フィードバックを分類してください。
例1:
入力:「配送が早くて助かった」
→ 肯定的(理由:サービスへの感謝を表明)
例2:
入力:「商品は想像通りでした」
→ 中立(理由:期待値と一致しているが特別な感情表現がない)
例3:
入力:「商品は良いけど梱包が雑だった」
→ 混合(理由:商品への肯定と梱包への否定が混在)
---
では以下を分類してください:
「値段の割には良い品質だと思う。ただ次回はもう少し安いと嬉しい」
例が増えるほど、AIは「混合」のような微妙な判断もできるようになります。
✅ Quick Check: Zero-ShotとFew-Shotで、同じ分類タスクの精度が変わる理由は?(Few-Shotでは判断基準を例で示せるため、あいまいなケースでもAIが一貫した判断をできる)
Few-Shotの黄金ルール
ルール1:例の質 > 例の数
10個の雑な例より、3個の丁寧な例の方が効果的です。各例は以下を含めましょう:
- 入力 — どんなデータが来るか
- 出力 — 期待する結果
- 根拠 — なぜその出力になるか(判断基準を教える)
ルール2:エッジケースを含める
簡単な例だけではAIは「典型的なパターン」しか学びません。
例1(典型的な肯定):「最高のサービスです!」→ 肯定的
例2(典型的な否定):「二度と買いません」→ 否定的
例3(エッジケース):「前回は良かったのに今回は微妙」→ 混合
エッジケースを含めると、AIの判断の境界線が明確になります。
ルール3:区切りを明確にする
例と本番の入力をしっかり区切らないと、AIが混乱します。
✅ 良い区切り:
例1:...
例2:...
---
では以下を分析してください:
❌ 悪い区切り:
例:「良い商品です」→ 肯定
「配送が遅い」→ 否定
「デザインは好きだけど重い」→ ???
「—」や「===」、空行などで明確に区切ることが大切です。
ルール4:一貫した形式を保つ
例ごとに形式がバラバラだと、AIはどの形式を採用すべきか迷います。
❌ バラバラ:
例1:肯定的です
例2:分類:否定 / 理由:商品に不満
例3:→ 中立
✅ 統一:
例1:分類:肯定的 / 理由:サービスへの感謝
例2:分類:否定的 / 理由:商品への不満
例3:分類:中立 / 理由:特別な感情表現がない
✅ Quick Check: Few-Shotの例をすべて「簡単なケース」だけにすると何が起きますか?(AIが微妙なケースの判断基準を学べず、あいまいな入力に対して不安定な分類をする)
実務でのFew-Shot活用パターン
パターン1:文章のトーン統一
ブランドの文体を統一したい場合に効果的です。
以下のトーンでFAQの回答を書いてください。
例1:
Q:返品はできますか?
A:もちろんです!商品到着後14日以内であれば、理由を問わず返品OK。
返品の手続きはマイページの「注文履歴」からワンクリックで完了します。
例2:
Q:送料はいくらですか?
A:3,000円以上のご注文で送料無料です!
3,000円未満の場合は全国一律500円。まとめ買いがお得ですよ。
---
では以下に同じトーンで回答してください:
Q:届くまで何日かかりますか?
パターン2:データ変換
入力データを特定の形式に変換するパターンです。
以下のルールで、営業報告をサマリーに変換してください。
例:
入力:「本日、ABC株式会社の田中部長を訪問。新規サービスのデモを実施。
反応は良好で、来週見積もりを送ることになった。競合はD社が検討されている。」
出力:
- 顧客:ABC株式会社(田中部長)
- 状況:デモ実施 → 見積もり段階
- 温度感:★★★★☆(好反応)
- 競合:D社
- ネクスト:来週見積もり送付
---
では以下の報告をサマリーにしてください:
パターン3:日本語の敬語レベル統一
以下の敬語レベルで、お客様への通知文を書いてください。
例:
件名:ご注文の出荷完了のお知らせ
本文:
いつもご利用いただきありがとうございます。
ご注文いただきました商品を本日出荷いたしましたので、お知らせいたします。
お届け予定日は〇月〇日です。ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
---
同じ敬語レベルで以下の通知文を作成してください:
件名:システムメンテナンスのお知らせ
Key Takeaways
- Few-Shotは「例で教える」テクニック。言葉の説明より正確にパターンを伝えられる
- 例の質が量より大切。2〜3個の一貫した例 + エッジケースが理想
- 例と本番の入力は「—」などで明確に区切る
- トーン統一、データ変換、分類タスクで特に効果が高い
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Few-Shotでパターンを教える方法を学びました。次のレッスンでは、AIの「思考力」を引き出すChain-of-Thought(思考の連鎖)テクニックに入ります。
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