Chain-of-Thought
AIに段階的に考えさせるChain-of-Thought手法で、論理的推論・分析・計算の精度を大幅に向上させる方法を学びます。
AIに「考え方」を教える
🔄 Quick Recall: レッスン4のFew-Shotは「出力のパターン」をAIに教える手法でした。今回のChain-of-Thoughtは「思考のプロセス」を教える手法です。
人間も複雑な問題は「頭の中で順番に考える」ことで正確に解けますよね。AIも同じです。
一気に答えを出させるより、ステップごとに考えさせる方が、論理的な推論の精度が劇的に上がります。
基本のChain-of-Thought
CoTなし:
Q: 営業部門の四半期予算を計算して。
チーム5名、月の出張費一人あたり8万円、ツール利用費月15万円、
イベント費四半期200万円。
→ AIが一気に計算して、途中で間違える可能性がある
CoTあり:
Q: 営業部門の四半期予算を計算してください。
以下のステップで計算してください:
1. まず月間の出張費合計を計算
2. 次に月間のツール利用費を確認
3. 月間の合計経費を計算
4. 四半期(3ヶ月)に換算
5. イベント費を加算
6. 最終的な四半期予算を提示
条件:
- チーム5名
- 月の出張費:一人あたり8万円
- ツール利用費:月15万円
- イベント費:四半期200万円
2つ目のプロンプトでは、AIが各ステップの計算を見せてくれるので、途中のミスを発見しやすくなります。
自動CoT vs 手動CoT
自動CoT(簡易版)
キーフレーズを添えるだけの方法です。
ステップバイステップで考えてください。
または:
段階的に推論してください。
一つずつ順番に検討してください。
メリット: 手軽。一行追加するだけ。 デメリット: AIが自分で推論ステップを決めるので、方向がズレることがある。
手動CoT(詳細版)
推論のステップを自分で設計する方法です。
以下のステップで分析してください:
1. 現状の問題点を3つ特定
2. 各問題点の根本原因を分析
3. 原因ごとの解決策を提案
4. 解決策を実施コストと効果で優先順位付け
5. 最終的な推奨アクションプランを提示
メリット: 推論の方向性をコントロールできる。 デメリット: ステップの設計に時間がかかる。
✅ Quick Check: 「この企画書の問題点を指摘して」というタスクを手動CoTに変えるとしたら、どんなステップを含めますか?
実務での活用パターン
パターン1:意思決定の支援
当社がCRMツールを導入するべきか、以下のステップで分析してください。
ステップ1:現在の顧客管理の問題点を洗い出す
ステップ2:CRM導入で解決できる問題と解決できない問題を区別する
ステップ3:導入コスト(初期費用、月額費用、教育コスト)を概算する
ステップ4:導入しない場合の機会損失を推定する
ステップ5:ROIを計算し、導入可否の判断を提示する
背景:
- 従業員50名の中小企業
- 営業担当15名
- 現在はExcelで顧客管理
- 月の新規リード数:約100件
パターン2:原因分析
ECサイトの売上が先月比20%減少しました。
以下のステップで原因を分析してください。
1. 考えられる原因カテゴリを列挙(外部要因/内部要因/技術的要因)
2. 各カテゴリの具体的な原因を3つずつ挙げる
3. 各原因の確認方法を提示(どのデータを見ればわかるか)
4. 影響度の高い順にランク付け
5. 上位3つの原因に対する即座のアクションを提案
パターン3:文章の改善
以下のメールを改善してください。ステップバイステップで:
1. まず現在のメールの問題点を3つ指摘
2. 各問題点の改善方針を説明
3. 改善版のメールを作成
4. 改善前と改善後の違いを簡潔に説明
メール:
[改善したいメールの本文]
CoTの注意点
使わない方が良い場面:
- 単純な質問(「東京の人口は?」)
- 定型的な生成タスク(定型メール、テンプレート埋め)
- 創作タスク(ブレインストーミング、キャッチコピー)
使うべき場面:
- 多段階の計算
- 複数条件を考慮する意思決定
- 原因分析、問題解決
- 複雑なデータの比較・評価
| タスクの複雑さ | 推奨手法 |
|---|---|
| 単純(定型的) | CoTなし(Zero-Shot) |
| やや複雑 | 自動CoT(「ステップバイステップで」) |
| 複雑(重要な判断) | 手動CoT(ステップを自分で設計) |
✅ Quick Check: ブレインストーミングでCoTを使うとどうなりますか?(論理的に考えすぎて、自由な発想が制限される可能性がある)
Key Takeaways
- Chain-of-Thoughtは「AIに考え方を教える」テクニック
- 「ステップバイステップで」の一言(自動CoT)だけでも効果がある
- 重要なタスクでは、推論ステップを自分で設計する手動CoTが有効
- 計算、意思決定、原因分析で特に威力を発揮する
- 単純なタスクや創作にはオーバースペック
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3つのコアテクニック(ペルソナ、Few-Shot、CoT)を学びました。次のレッスンでは、これらを組み合わせた実務で即使える「プロンプトパターン」を紹介します。
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