レッスン 7 15分

プロンプトのデバッグ

AIが期待通りの結果を出さないとき、原因を特定し修正するデバッグ技術を学びます。

うまくいかないプロンプトを救う技術

🔄 Quick Recall: レッスン6で5つのプロンプトパターンを学びました。でも、パターン通りに書いてもうまくいかないことがあります。プログラマーがコードをデバッグするように、プロンプトもデバッグできます。

「なんか違うんだよな」で終わらせず、「何がどう違うのか」を特定して修正する。これがプロンプトのデバッグです。

デバッグの3ステップ

ステップ1:ギャップの特定

まず「期待」と「現実」の差を言語化します。

期待:経営陣向けの簡潔なサマリー(300字)
現実:技術的な詳細を含む長文(1000字以上)

→ ギャップ:長さのオーバー + 読者レベルの不一致

ステップ2:原因の特定

よくある原因は5つに分類できます。

原因カテゴリ症状典型例
あいまいさ的外れな回答「良い報告書を書いて」
情報不足一般的すぎる回答文脈や背景情報がない
情報過多焦点がぼやけた回答条件が20個以上ある
矛盾一貫性のない回答「簡潔に、でも詳細に」
形式不指定使いにくい形式出力フォーマットが未指定

ステップ3:ピンポイント修正

全書き直しではなく、原因に対応する要素だけを修正します。

Before:「マーケティング戦略を考えて」

原因:あいまいさ + 情報不足

After:「BtoB SaaS(年商3億円)のコンテンツマーケティング戦略を、
月間予算50万円、3ヶ月の期間で提案してください。
KPIとROIの根拠を含めてください。」

Quick Check: AIが「箇条書きで5つ出して」という指示に対して、長い段落で7項目を出してきました。何が問題ですか?(制約が十分に強調されていない。「必ず箇条書き形式で、正確に5つに限定して」とより明確にする)

よくある失敗パターンと修正法

失敗1:回答が長すぎる

原因: 長さの制約がない、または弱い

❌ Before:
レポートを書いてください。

✅ After:
レポートを300字以内で書いてください。
各セクションは100字以内に収めてください。

追加テクニック: 「以下の形式で、各項目2行以内で」のように、構造レベルで長さを制限する。

失敗2:回答が浅い・一般的

原因: 文脈が足りない

❌ Before:
営業チームの生産性を上げる方法は?

✅ After:
背景:
- BtoB SaaS企業の営業チーム(15名)
- 現在の商談数:月平均40件/人
- 成約率:15%(業界平均20%)
- 主な課題:初回商談から見積もり提出までに平均10日かかる

この状況で、成約率を20%に改善するための具体的な施策を
3つ提案してください。各施策に期待効果と実施手順を含めてください。

失敗3:回答がブレる(実行ごとに違う)

原因: 制約が弱い、またはあいまいな表現

❌ Before:
おすすめのプロジェクト管理ツールを教えて。

✅ After:
以下の条件で最適なプロジェクト管理ツールを3つ推薦してください。

条件:
- チーム規模:10名
- 予算:月5万円以内
- 必須機能:ガントチャート、タスク依存関係
- 日本語対応必須

出力形式:
| ツール名 | 月額料金 | 主要機能 | 推薦理由 |

失敗4:指示の一部が無視される

原因: プロンプトが長すぎて、AIが一部の指示を見落としている

対策:

  1. 最重要の指示を冒頭と末尾に配置する(AIは先頭と末尾に注意を払いやすい)
  2. 重要な制約に番号を振る
  3. 不要な情報を削って簡潔にする
✅ 重要な制約を目立たせる:
【最重要】必ず以下の3点を含めてください:
1. 数値データに基づく根拠
2. 実施スケジュール
3. 想定リスクと対策

[タスクの詳細...]

※ 上記3点が欠けている場合は、回答として不完全です。

Quick Check: 5要素をすべて含む長いプロンプトを書いたのに、AIが「制約」を無視しました。どうしますか?(制約を冒頭にも繰り返すか、プロンプトを分割して2回に分けてタスクを依頼する)

デバッグ用の万能テクニック

テクニック1:AIに自己評価させる

以下のタスクに回答した後、自分の回答を以下の基準で自己評価してください。
基準:正確性(1-5)、具体性(1-5)、実用性(1-5)
評価が3以下の項目があれば、自分で修正してください。

テクニック2:段階的に制約を追加する

一度に全制約を入れるのではなく、段階的にフィードバックで追加します。

[1回目] 基本のタスクだけ
[2回目] 「もっと具体的に。数字を含めて」
[3回目] 「300字以内に要約して」

テクニック3:AIにプロンプトを分析させる

以下のプロンプトの改善点を指摘してください。
改善点ごとに、修正前と修正後の例を示してください。

プロンプト:
[うまくいかないプロンプト]

Key Takeaways

  • デバッグは「ギャップ特定 → 原因特定 → ピンポイント修正」の3ステップ
  • よくある原因は5つ:あいまいさ、情報不足、情報過多、矛盾、形式不指定
  • 全書き直しより、原因に対応する要素だけを修正する方が効率的
  • 重要な制約は冒頭と末尾に配置する
  • AIに自己評価させたり、プロンプト自体を分析させるメタ手法も有効

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最終レッスンです。ここまで学んだすべてのテクニックを統合して、実務で使える「本番プロンプト」を設計するプロジェクトに取り組みます。

理解度チェック

1. プロンプトのデバッグで最初にやるべきことは?

2. プロンプトが長すぎてAIの出力がブレるとき、最も効果的な対策は?

すべての問題に答えてから確認できます

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