総合プロジェクト:本番プロンプトを設計する
7つのレッスンで学んだ全テクニックを統合し、実務で使える本番品質のプロンプトを設計する総合演習。
コース全体の振り返り
🔄 Quick Recall: レッスン1から7まで、プロンプト設計の体系的な技法を学んできました。最終レッスンでは、すべてを統合します。
| レッスン | テクニック | 一言でまとめると |
|---|---|---|
| 1. 基本の先へ | 設計思考 | 「書く」から「設計する」へ |
| 2. プロンプトの解剖学 | 5要素 | 役割・文脈・タスク・制約・出力形式 |
| 3. ロールとペルソナ | ペルソナ設定 | AIの視点と専門性をコントロール |
| 4. Few-Shot学習 | 例示 | 例を見せてパターンを教える |
| 5. Chain-of-Thought | 段階的推論 | 考え方のプロセスを指示する |
| 6. プロンプトパターン | 5つの型 | 反転・テンプレート・メタ・ガードレール・段階的洗練 |
| 7. デバッグ | 修正技術 | ギャップ特定 → 原因特定 → ピンポイント修正 |
総合演習:月次レポート自動生成プロンプトの設計
すべてのテクニックを使って、実務で繰り返し使える「本番品質」のプロンプトを設計してみましょう。
シナリオ: あなたはITスタートアップのマーケティングチームリーダーです。毎月、経営陣向けのマーケティングレポートを作成していますが、データの整理と文章化に毎回3時間かかっています。これをAIで効率化したい。
ステップ1:目的と成功基準を定義する
何を設計するか決める前に、何をもって「成功」とするか定義します。
- 目的: 月次マーケティングレポートのドラフト自動生成
- 成功基準: 経営陣がそのまま読める品質。修正が30分以内で完了すること。
- 出力物: 構造化されたレポート(3ページ相当)
ステップ2:5要素で骨格を作る
[役割] — ペルソナ設定(レッスン3)
あなたはデータドリブンなマーケティングアナリストです。
経営陣向けのレポーティングに豊富な経験があり、
数字の背後にあるインサイトを読み解くのが得意です。
[文脈]
対象企業:BtoB SaaS(従業員80名、ARR 5億円)
報告先:CEO、CFO、営業部長(3名)
報告頻度:月次
[タスク]
以下のデータをもとに、月次マーケティングレポートを作成してください。
[制約] — ガードレール(レッスン6)
【やること】
- データに基づいた分析と具体的な数値を含める
- 良い結果と悪い結果の両方を客観的に報告する
- 来月の改善アクションを提案する
【やらないこと】
- 曖昧な表現(「概ね好調」など)を使わない
- データにない推測を事実のように書かない
- 専門用語を説明なしで使わない
[出力形式] — テンプレートパターン(レッスン6)
以下の構成で出力してください:
## エグゼクティブサマリー(3行以内)
## KPIダッシュボード(表形式)
## 分析:今月のハイライトと課題(箇条書き)
## 来月のアクションプラン(番号付き、3つ以内)
ステップ3:テクニックを重ねる
このプロンプトにFew-Shotを追加して、期待する品質を示します。
--- 出力例(参考)---
## エグゼクティブサマリー
リード獲得数は前月比+15%の好調。一方、MQL→SQL転換率が
12%→9%に低下しており、リードの質の改善が来月の最重要課題。
広告費ROIは2.3倍を維持。
## KPIダッシュボード
| 指標 | 今月 | 先月 | 前年同月 | 目標 | 達成率 |
|------|------|------|---------|------|--------|
| リード数 | 450 | 390 | 280 | 400 | 112% |
ステップ4:デバッグ(レッスン7)
初回の出力を確認して、ギャップがあればピンポイントで修正します。
- レポートが長すぎる → 「各セクション200字以内」の制約を追加
- インサイトが浅い → Chain-of-Thought(レッスン5)を追加:「各KPIについて、数値の変化 → 原因仮説 → 対策の順で分析してください」
- トーンが堅すぎる → 「経営会議で口頭説明するときのカジュアルなトーンで」を追加
✅ Quick Check: 設計したプロンプトを来月も使いたい場合、データ部分はどうしますか?(月ごとに変わるデータを[ここにデータ挿入]のプレースホルダーにして、テンプレート化する)
プロンプト設計のチェックリスト
本番プロンプトを設計するとき、このチェックリストで品質を確認してください。
設計前:
- 目的と成功基準を定義したか?
- 読者(出力の利用者)を特定したか?
設計中:
- 5要素(役割・文脈・タスク・制約・出力形式)を検討したか?
- 必要に応じてペルソナを詳細設定したか?
- 品質の基準を示すFew-Shotの例を含めたか?
- 複雑な推論にはCoTのステップを設定したか?
- ガードレール(やらないこと)を設定したか?
設計後:
- テスト実行して結果を確認したか?
- ギャップがあればデバッグしたか?
- 再利用可能なテンプレートとして保存したか?
次のステップ
このコースを完了したあなたは、プロンプトを「設計」できるプロフェッショナルの仲間入りです。
- スキルライブラリ — 設計済みのプロンプトを探して、自分のワークフローに組み込む
- 「ビジネスメールとAI」コース — 敬語やビジネスマナーに特化したAI活用法
- 実践 — 明日の仕事で、このコースのテクニックを1つ試してみてください
小さく始めて、繰り返し改善する。それがプロンプトエンジニアリングの本質です。
Key Takeaways
- 本番プロンプトの設計は「目的定義 → 5要素で骨格 → テクニック重ね → デバッグ」のプロセス
- 5要素フレームワークが土台。その上にペルソナ・Few-Shot・CoT・パターンを必要に応じて重ねる
- 一度設計したプロンプトはテンプレート化して再利用する
- バージョン管理で改善履歴を追跡する
- すべてのテクニックはChatGPT、Claude、Geminiなどどのツールでも使える
理解度チェック
まず上のクイズを完了してください
レッスン完了!