レッスン 8 20分

総合プロジェクト:本番プロンプトを設計する

7つのレッスンで学んだ全テクニックを統合し、実務で使える本番品質のプロンプトを設計する総合演習。

コース全体の振り返り

🔄 Quick Recall: レッスン1から7まで、プロンプト設計の体系的な技法を学んできました。最終レッスンでは、すべてを統合します。

レッスンテクニック一言でまとめると
1. 基本の先へ設計思考「書く」から「設計する」へ
2. プロンプトの解剖学5要素役割・文脈・タスク・制約・出力形式
3. ロールとペルソナペルソナ設定AIの視点と専門性をコントロール
4. Few-Shot学習例示例を見せてパターンを教える
5. Chain-of-Thought段階的推論考え方のプロセスを指示する
6. プロンプトパターン5つの型反転・テンプレート・メタ・ガードレール・段階的洗練
7. デバッグ修正技術ギャップ特定 → 原因特定 → ピンポイント修正

総合演習:月次レポート自動生成プロンプトの設計

すべてのテクニックを使って、実務で繰り返し使える「本番品質」のプロンプトを設計してみましょう。

シナリオ: あなたはITスタートアップのマーケティングチームリーダーです。毎月、経営陣向けのマーケティングレポートを作成していますが、データの整理と文章化に毎回3時間かかっています。これをAIで効率化したい。

ステップ1:目的と成功基準を定義する

何を設計するか決める前に、何をもって「成功」とするか定義します。

  • 目的: 月次マーケティングレポートのドラフト自動生成
  • 成功基準: 経営陣がそのまま読める品質。修正が30分以内で完了すること。
  • 出力物: 構造化されたレポート(3ページ相当)

ステップ2:5要素で骨格を作る

[役割] — ペルソナ設定(レッスン3)
あなたはデータドリブンなマーケティングアナリストです。
経営陣向けのレポーティングに豊富な経験があり、
数字の背後にあるインサイトを読み解くのが得意です。

[文脈]
対象企業:BtoB SaaS(従業員80名、ARR 5億円)
報告先:CEO、CFO、営業部長(3名)
報告頻度:月次

[タスク]
以下のデータをもとに、月次マーケティングレポートを作成してください。

[制約] — ガードレール(レッスン6)
【やること】
- データに基づいた分析と具体的な数値を含める
- 良い結果と悪い結果の両方を客観的に報告する
- 来月の改善アクションを提案する

【やらないこと】
- 曖昧な表現(「概ね好調」など)を使わない
- データにない推測を事実のように書かない
- 専門用語を説明なしで使わない

[出力形式] — テンプレートパターン(レッスン6)
以下の構成で出力してください:

## エグゼクティブサマリー(3行以内)
## KPIダッシュボード(表形式)
## 分析:今月のハイライトと課題(箇条書き)
## 来月のアクションプラン(番号付き、3つ以内)

ステップ3:テクニックを重ねる

このプロンプトにFew-Shotを追加して、期待する品質を示します。

--- 出力例(参考)---
## エグゼクティブサマリー
リード獲得数は前月比+15%の好調。一方、MQL→SQL転換率が
12%→9%に低下しており、リードの質の改善が来月の最重要課題。
広告費ROIは2.3倍を維持。

## KPIダッシュボード
| 指標 | 今月 | 先月 | 前年同月 | 目標 | 達成率 |
|------|------|------|---------|------|--------|
| リード数 | 450 | 390 | 280 | 400 | 112% |

ステップ4:デバッグ(レッスン7)

初回の出力を確認して、ギャップがあればピンポイントで修正します。

  • レポートが長すぎる → 「各セクション200字以内」の制約を追加
  • インサイトが浅い → Chain-of-Thought(レッスン5)を追加:「各KPIについて、数値の変化 → 原因仮説 → 対策の順で分析してください」
  • トーンが堅すぎる → 「経営会議で口頭説明するときのカジュアルなトーンで」を追加

Quick Check: 設計したプロンプトを来月も使いたい場合、データ部分はどうしますか?(月ごとに変わるデータを[ここにデータ挿入]のプレースホルダーにして、テンプレート化する)

プロンプト設計のチェックリスト

本番プロンプトを設計するとき、このチェックリストで品質を確認してください。

設計前:

  • 目的と成功基準を定義したか?
  • 読者(出力の利用者)を特定したか?

設計中:

  • 5要素(役割・文脈・タスク・制約・出力形式)を検討したか?
  • 必要に応じてペルソナを詳細設定したか?
  • 品質の基準を示すFew-Shotの例を含めたか?
  • 複雑な推論にはCoTのステップを設定したか?
  • ガードレール(やらないこと)を設定したか?

設計後:

  • テスト実行して結果を確認したか?
  • ギャップがあればデバッグしたか?
  • 再利用可能なテンプレートとして保存したか?

次のステップ

このコースを完了したあなたは、プロンプトを「設計」できるプロフェッショナルの仲間入りです。

  • スキルライブラリ — 設計済みのプロンプトを探して、自分のワークフローに組み込む
  • 「ビジネスメールとAI」コース — 敬語やビジネスマナーに特化したAI活用法
  • 実践 — 明日の仕事で、このコースのテクニックを1つ試してみてください

小さく始めて、繰り返し改善する。それがプロンプトエンジニアリングの本質です。

Key Takeaways

  • 本番プロンプトの設計は「目的定義 → 5要素で骨格 → テクニック重ね → デバッグ」のプロセス
  • 5要素フレームワークが土台。その上にペルソナ・Few-Shot・CoT・パターンを必要に応じて重ねる
  • 一度設計したプロンプトはテンプレート化して再利用する
  • バージョン管理で改善履歴を追跡する
  • すべてのテクニックはChatGPT、Claude、Geminiなどどのツールでも使える

理解度チェック

1. 本番プロンプトの設計プロセスで、最初に行うべきステップは?

2. コースで学んだテクニックの正しい組み合わせは?

3. プロンプトの「バージョン管理」が重要な理由は?

4. このコースで学んだテクニックは、特定のAIツール専用ですか?

すべての問題に答えてから確認できます

まず上のクイズを完了してください

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