マルチステップの推論と計画
エージェントを信頼できるものにする計画戦略——タスク分解、計画→実行パターン、適応的な再計画、Chain-of-Thought推論。
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🔄 Quick Recall: 前回のレッスンでエージェントにツール——ウェブ検索、コード実行、ファイルアクセスを与えた。しかし計画のないツールは、設計図のない電動工具のようなもの。このレッスンでは、エージェントに戦略的な思考と、現実が予想と異なるときの適応を教える。
計画の問題
ツールを持つエージェントに「市場分析を作成して」と指示したらどうなるか。計画なしの場合:
- とりあえず何か検索する
- 見つけた情報を少し書く
- また何か検索する
- 断片的な情報の寄せ集めが「完成」
計画ありの場合:
- 計画: 「5社の競合を特定→各社の価格を調査→機能を比較→SWOT分析→レポート作成」
- 実行: 計画に沿って体系的にステップを進める
- 評価: 各ステップの出力が十分かチェック
- 調整: 新発見に基づいて必要なら計画を修正
計画→実行パターン
最も基本的で効果的なパターン:
以下のタスクの実行計画を作成して。
まだ実行はしないで——計画だけ。
タスク:[記述]
利用可能なツール:[リスト]
制約:[時間、ステップ数、コスト上限]
計画に含めるもの:
1. サブタスクの一覧(実行順)
2. 各サブタスクで使うツール
3. 各サブタスクの期待されるアウトプット
4. サブタスク間の依存関係
5. 失敗した場合の代替アプローチ
6. 完了基準(どうなったら「終わり」か)
計画を提示したら、承認を待ってから実行して。
この「計画を先に見せる」パターンはヒューマンインザループの第一歩。エージェントが的外れな方向に走り出す前にキャッチできる。
適応的再計画
計画は変わりうる。変わるべきときに変わるのが良いエージェント:
以下の状況で計画を再評価して。
元の計画:[ステップリスト]
現在のステップ:[今どこまで進んだか]
新しい情報:[計画に影響する発見]
判断して:
1. 元の計画をそのまま続行すべきか?
2. 計画の一部を修正すべきか?(どの部分をどう変える?)
3. 完全に新しい計画が必要か?
理由と修正後の計画を提示して。
✅ Quick Check: エージェントが「常に計画通り」に動くのと「常に再計画」するのでは、どちらが問題? なぜ?
どちらも問題。「常に計画通り」はAPIダウンや予想外の発見に対応できない硬直性。「常に再計画」は前のステップの成果を無駄にし、目標に到達しない。正解は「計画に従いつつ、新情報が計画の前提を覆したときだけ再計画」。
Chain-of-Thought(思考の連鎖)
エージェントに「考えるプロセスを明示させる」ことで推論の質が劇的に上がる:
以下のタスクを実行する際、各ステップで思考プロセスを
明示して。
タスク:[記述]
各ステップで以下を表示:
【思考】今何を考えているか、なぜこのアクションを選ぶか
【行動】実行するアクション
【結果】何が得られたか
【評価】目標にどう近づいたか、次に何をすべきか
思考を隠さずに全部見せて。
思考の可視化には2つのメリット:
- エージェントの推論品質が向上する(言語化することで論理がチェックされる)
- 人間がエージェントの判断を理解・検証できる
タスク分解のベストプラクティス
良い分解:
- 各サブタスクが独立して検証可能
- サブタスク間の依存関係が明確
- 各サブタスクが1つのツール呼び出しで完了可能(理想的には)
- 失敗しても他のサブタスクに波及しない設計
悪い分解:
- サブタスクが大きすぎて検証できない
- 依存関係が循環している
- 1つのサブタスクが多すぎるツールを必要とする
以下のタスクを適切な粒度のサブタスクに分解して。
タスク:[記述]
利用可能なツール:[リスト]
各サブタスクについて:
- 何を達成するか
- 使用するツール
- 期待されるアウトプット
- 成功/失敗の判定基準
- 前のサブタスクへの依存
分解が適切かどうか、以下の基準でセルフチェック:
- 各サブタスクは独立して検証可能か?
- 粒度は適切か(大きすぎ/小さすぎない)?
- 依存関係は一方向か(循環していない)?
Key Takeaways
- 「計画→実行」パターンはアクションの前に全体の計画を作成し、目的のない作業を防ぐ
- 計画はスタート地点であり牢獄ではない——新情報が前提を覆したら適応的に再計画
- Chain-of-Thought(思考の可視化)がエージェントの推論品質と人間による検証可能性を両方高める
- タスク分解は「独立して検証可能なサブタスク」に分割するのが鍵
- 良い分解は各ステップが1つのツール呼び出しで完了し、失敗が波及しない
- 「計画を先に見せる」パターンがヒューマンインザループの最もシンプルな形
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