クラウドサービスモデルの理解
IaaS、PaaS、SaaSの3つのクラウドサービスモデルを、日常のたとえと実例で直感的に理解し、ユースケースに適したモデルを選べるようになる。
🔄 前回のおさらい: レッスン1でクラウドの重要性、市場規模、そしてSaaSを意識せず使っている企業が多い実態を学びました。ここでは3つのクラウドサービスモデルを深掘りし、ユースケース別の選び方を身につけます。
料理のたとえで理解するクラウドモデル
クラウドサービスモデルは、食事の提供方法にたとえると分かりやすい:
| モデル | たとえ | あなたが管理するもの |
|---|---|---|
| オンプレミス | 自分で農場から食材を育てて調理 | すべて |
| IaaS | キッチンをレンタル、食材と調理は自分 | OS、ミドルウェア、アプリ、データ |
| PaaS | ミールキットが届く、調理だけ自分 | アプリとデータ |
| SaaS | レストランで出来上がった料理を食べる | データのみ |
IaaS(Infrastructure as a Service)
仮想マシン、ストレージ、ネットワークをレンタル。すべてを自分で設定・管理。
代表例: AWS EC2、Azure Virtual Machines、Google Compute Engine
向いているケース:
- 特定のOS、ライブラリ、ハードウェア(GPU等)が必要
- インフラの完全な制御が欲しい
- 既存の社内システムをそのままクラウドに移したい(リフト&シフト)
PaaS(Platform as a Service)
開発プラットフォームを提供。コードを書いてデプロイするだけ。サーバー管理は不要。
代表例: Heroku、AWS Elastic Beanstalk、Google App Engine
向いているケース:
- アプリ開発に集中したい(サーバー管理したくない)
- スタートアップで素早くプロトタイプを作りたい
- チームが小さく、インフラ専任がいない
SaaS(Software as a Service)
完成したソフトウェアをWebブラウザやアプリで利用。管理するのはデータだけ。
代表例: Gmail、Slack、Salesforce、Microsoft 365
向いているケース:
- 標準的なビジネスツールが必要(メール、CRM、コラボレーション)
- ITの専門知識が不要
- すぐに使い始めたい
✅ 確認クイズ: あるチームが「PaaSとIaaSの違いが分からない」と言う。一言で説明するなら?→IaaSは「空のサーバーを借りて自分で全部セットアップ」、PaaSは「コードを書いてデプロイするだけ、サーバーの管理はプラットフォームが全部やる」。レストランのたとえなら、IaaSはキッチンを借りる、PaaSはミールキットが届く。
共有責任モデル
どのモデルでも変わらない重要なルール:データの管理責任は常にユーザーにある。
| 責任 | IaaS | PaaS | SaaS |
|---|---|---|---|
| データ | あなた | あなた | あなた |
| アプリケーション | あなた | あなた | プロバイダー |
| ランタイム/ミドルウェア | あなた | プロバイダー | プロバイダー |
| OS | あなた | プロバイダー | プロバイダー |
| ハードウェア | プロバイダー | プロバイダー | プロバイダー |
デプロイメントモデル
サービスモデルとは別に、クラウドの「配置方法」もあります:
- パブリッククラウド(市場の55.88%):AWS、Azure、GCPなどの共有インフラ
- プライベートクラウド:自社専用のクラウド環境
- ハイブリッドクラウド:パブリックとプライベートの組み合わせ
- マルチクラウド:複数のパブリックプロバイダーを併用
まとめ
- クラウドサービスモデルは3つ:IaaS(インフラのレンタル)、PaaS(開発プラットフォーム)、SaaS(完成ソフトウェア)
- 料理のたとえ:IaaSはキッチンレンタル、PaaSはミールキット、SaaSはレストラン
- 選択基準:制御の必要度合い——完全な制御ならIaaS、コードに集中ならPaaS、すぐ使いたいならSaaS
- どのモデルでもデータの管理責任は常にユーザーにある(共有責任モデル)
- SaaSがクラウド収益の53%以上——最も普及しているモデル
次のレッスン: AWS、Azure、Google Cloudの3大プラットフォームを比較し、自分の目標に合った選び方を学びます。
理解度チェック
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