レッスン 6 12分

コスト管理とFinOps

FinOpsプラクティスでクラウドコストを管理する——料金モデルの理解、請求の急増の防止、リザーブドインスタンスとライトサイジングによる最適化、AIを活用したコスト分析。

🔄 前回のおさらい: レッスン5でクラウドセキュリティの基礎——IAM、最小権限、暗号化、ゼロトラストを学びました。ここではクラウドのもう1つの重要な課題、コスト管理に取り組みます。

クラウドコストの落とし穴

クラウドは従量課金で「コスト削減」を約束します。適切に管理すればその通りです。しかし管理なしではコストは膨張します。組織はクラウド支出の約30%を未使用・過小利用のリソースに無駄遣いしているとされています。

問題はクラウドが高いことではありません。リソースの作成が非常に簡単で、忘れるのも非常に簡単なことです。月曜にテスト環境を作り、水曜にテスト完了、しかし環境は金曜、週末、翌月まで稼働(と課金)し続けます。

これが**企業の59%**が専任のFinOpsチームを構築している理由です。クラウドコスト管理は今やスキルであり、単なる経費項目ではありません。

クラウド料金の仕組み

クラウド料金は3つの基本要素で構成されます:

要素課金方法
コンピュートインスタンス稼働時間(時間/秒単位)EC2 t3.micro:約$0.0104/時≈月約$7.50
ストレージ月あたりの保存GBS3:標準で約$0.023/GB/月
データ転送クラウド外への転送GBAWS:インターネットへの転送$0.09/GB

落とし穴はデータ転送にあります。クラウドへのデータINは通常無料。データOUTは有料。リージョン間の転送も有料。この転送コストが請求書を支配することがあります。

クラウドの請求書を理解するのを手伝ってください。

月次の内訳:
[サービスごとの課金サマリーを貼り付け]

各項目について:
1. このサービスは何をするか(分かりやすく)
2. この使用量に対してコストは妥当か
3. 同じ結果を得るより安い代替手段はあるか
4. 削減または廃止できるものはあるか

追加で特定:
- 使っていないのに課金されているサービス
- 異常に高いデータ転送料
- 知らないうちに増加しているストレージ

確認クイズ: なぜデータ転送OUT(クラウド外への転送)が初心者にとって最も意外なコストになるのですか?→データINは通常無料(プロバイダーはデータのアップロードを促進したい)ですが、データOUT(ユーザーへ、他サービスへ、他リージョンへ)はGB単位で課金されます。大きなファイルの配信や動画ストリーミング、リージョン間のデータ移動があると、転送コストがコンピュートとストレージを超えることもあります。

FinOps最適化の手順

FinOps(Financial Operations)はクラウドコストを管理するプラクティスです。最適化の順序が重要——順番を間違えると無駄が生じます。

ステップ1:可視化(何にいくら使っているか把握する)

クラウドコストの可視化をセットアップしてください。

使用プロバイダー:[AWS / Azure / Google Cloud]
チームサイズ:[X人がクラウドリソースを作成]

設定すべきもの:
1. $X、$Y、$Zの閾値で請求アラート
2. コストタグ戦略(すべてのリソースにチーム、
   プロジェクト、環境のタグを付与)
3. 週次コストレビュー:何をどこで確認するか
4. ステークホルダー向け月次コストレポートのテンプレート

使うべきツールは?(ネイティブ+サードパーティ)

ステップ2:ライトサイジング(適切なサイズのリソースを使う)

ほとんどのクラウドインスタンスは過剰にプロビジョニングされています。8 CPUのサーバーで平均使用率が15%なら、2 CPUインスタンスで十分です。

ステップ3:スケジューリング(使わないものに払わない)

開発・テスト環境は24時間稼働する必要がありません。夜間・週末にシャットダウンするだけで65-75%の節約になります。

ステップ4:コミットメント(安定ワークロードにリザーブド料金)

ステップ1-3のにリザーブドインスタンスやSavings Plansを検討します。最適化前のリソースではなく、最適化後に残ったリソースをリザーブします。

確認クイズ: なぜリザーブドインスタンス(ステップ4)はライトサイジングとスケジューリング(ステップ2-3)の後にすべきですか?→リザーブドインスタンスは1-3年のリソース支払いにコミットします。先にリザーブしてからライトサイジングすると、不要な過剰リソースに支払いが確定します。まず最適化し、残ったものをリザーブする——これで40-70%のコスト削減が一般的です。

AIを活用したコスト分析

AIアシスタントはクラウド請求の分析と節約ポイントの特定に優れています:

クラウド支出を削減したいです。

月額支出:$[X]
プロバイダー:[AWS / Azure / Google Cloud]
主要サービス:[支出上位5つをリスト]

以下を分析・特定してください:
1. すぐにできること(今週、リスクなし):
   - 未使用リソースの終了
   - 過剰インスタンスのライトサイジング
   - 開発環境のスケジューリング

2. 中期的な節約(今月中):
   - より安い代替サービス
   - データ転送を減らすアーキテクチャ変更
   - リザーブド料金の機会

3. 戦略的な節約(今四半期):
   - マルチリージョン最適化
   - キャッシュ戦略
   - マネージドサービス vs セルフ管理のトレードオフ

各推奨事項に:月額の節約見積もり、実装の手間、リスク

まとめ

  • 組織はクラウド支出の約30%を未使用・過小利用のリソースに浪費——コスト管理は必須スキル
  • データ転送OUT(クラウド外への転送)が最も見落としやすいコスト——料金計算ツールでも過小見積もりしがち
  • FinOps最適化の順序を守る:可視化→ライトサイジング→スケジューリング→リザーブド料金(最後)
  • 最適化前にリザーブしない——ライトサイジングとスケジューリングだけで40-70%の削減が一般的
  • AIアシスタントで請求分析、未使用リソース特定、節約提案が可能——プロンプトパターンを活用

次のレッスン: モダンクラウドアーキテクチャ——コンテナ、Kubernetes、サーバーレス——を理解し、現代のアプリケーションがどう動くかを学びます。

理解度チェック

1. クラウド請求がEC2インスタンスで月額2,400ドル。10台のインスタンスが24時間稼働中。同僚がリザーブドインスタンスへの切り替えを提案。すべきですか?

2. スタートアップのAWS請求が1ヶ月で200ドルから1,800ドルに急増。創業者は「何も変えていない」と主張。まず何を確認すべきですか?

3. 新しいアプリケーションのクラウドコストをデプロイ前に見積もりたい。最も信頼できるアプローチは?

すべての問題に答えてから確認できます

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