スコープクリープと困難な状況
「ちょっとこれも追加で…」への対応、遅延支払い、問題クライアントの対処法。フリーランスの境界線を守る実践術。
🔄 Quick Recall: 前回のレッスンでクライアントコミュニケーションの基本を学んだ。良好な関係の維持法が分かったところで、今回は「うまくいかないとき」の対処法に入る。
23時のチャット
金曜の夜23時。スマホが震える。クライアントからのメッセージ:「あ、ここもちょっと変えてもらっていいですか? ついでにこのページも追加で。月曜までに。」
「ちょっと」の追加。「ついでに」の変更。1つ1つは5分で済むように見える。でも積み重なると、気づけば当初の合意の2倍の作業を、同じ料金でやっている。
これがスコープクリープ。フリーランスの収益を最も静かに蝕むもの。
スコープクリープの防止
スコープ定義テンプレート
プロジェクト開始時に、含まれるもの・含まれないものを明文化:
以下のプロジェクトのスコープ定義書を作って。
案件内容:[詳細]
合意した成果物:[リスト]
合意した料金:[金額]
以下の構成で:
1. 含まれるもの(Included):成果物の具体的なリスト
2. 含まれないもの(Excluded):よくある追加要求を先に明記
3. 修正回数:[X]回まで(「修正」の定義も記述)
4. 追加作業の料金体系:スコープ外は[時間単価 or 別見積]
5. 変更管理プロセス:追加が発生したときの手順
クライアントが読んで「明確だ」と思える書き方で。
スコープクリープへの返答テンプレート
クライアントから追加の作業依頼が来ました。
依頼内容:[記述]
現在のスコープ:[記述]
返答を書いて:
1. 要望を肯定する(「良いアイデアですね!」)
2. スコープ外であることを率直に伝える
3. 追加料金と期間を具体的に提示
4. 「やるかやらないか」の判断をクライアントに委ねる
5. 200字以内。
✅ Quick Check: 過去に「ついでに」で追加作業をした経験はある? その作業に見合った報酬をもらっていたか考えてみよう。
支払い遅延への対応
段階的な催促
請求書の支払いが遅れているクライアントに
催促メッセージを書いて。
段階:[フレンドリーなリマインド/2回目の催促/最終通告]
フレンドリー:
- 支払期日が過ぎていることを穏やかに伝える
- 見落としの可能性も考慮
- 支払方法の確認
2回目:
- より明確に。契約の支払条件に言及
- 期限を切る
最終通告:
- 作業の一時停止を通知
- 遅延損害金が発生する場合はその旨
- 法的手段はまだ匂わせない(最終手段)
前払いの提案
支払いトラブルを予防する最良の方法:
クライアントに前払い(着手金)を提案する
メッセージを書いて。
提案する条件:
- 着手金:[30-50]%
- 中間金:[マイルストーン時点で25-35]%
- 納品後:[残金]%
「なぜ前払いが双方にとって良いか」の
説明も含めて。丁寧で合理的なトーン。
問題クライアントへの対応
クライアントの「卒業」スクリプト
クライアントとの契約を終了するメッセージを書いて。
状況:[継続できない理由を簡潔に]
残っている作業:[あれば]
条件:
- 批判や非難は一切しない
- 感謝から始める
- 理由は簡潔に(「方向性の違い」等)
- 引き継ぎの提案(必要なら)
- プロフェッショナルな締めくくり
関係を焼かない。業界は狭い。
不当な要求への対応
クライアントから不当な要求がありました。
要求内容:[記述]
なぜ不当か:[記述]
対応メッセージを書いて:
- 感情的にならない
- 契約に基づいた対応を提示
- 代替案があれば提示
- 境界線は明確に
- 相手の面子を潰さないトーン
Key Takeaways
- スコープクリープはフリーランスの収益を最も静かに蝕む——「含まれないもの」を最初に明文化する
- 追加要求には「肯定+境界線+具体的な追加料金」のセットで対応
- 支払い遅延は段階的に催促。前払い制度でそもそも予防する
- 問題クライアントの「卒業」は最後の手段だが、時には必要
- 業界は狭い——どんな状況でも関係を焼かないプロフェッショナリズムを
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