レッスン 4 12分

コンテキストとメモリ

AIに背景情報を効果的に渡し、会話の流れを活用して回答精度を上げる方法を学びます。

なぜコンテキストが重要なのか

🔄 Quick Recall: レッスン3で、良いプロンプトの4要素(役割・タスク・コンテキスト・制約)を学びました。今回は「コンテキスト」を深掘りします。

同僚に「あの件、どうなった?」と聞かれたら、「あの件」が何か知っていれば答えられますよね。でも何の話か覚えていなかったら? 的外れな回答をするか、「どの件ですか?」と聞き返すしかない。

AIも同じです。コンテキスト(背景情報)が多いほど的確な回答ができるし、少ないほどあいまいな回答になります。

コンテキストの3つのレベル

レベル1:タスクコンテキスト

一回のプロンプトの中に含める背景情報です。

当社は従業員50名のIT企業で、来期から新しい人事評価制度を導入します。
現在の課題は、評価基準が属人的で公平性に欠けること。
この背景を踏まえて、新制度の評価項目を5つ提案してください。

レベル2:会話コンテキスト

同じチャット内の過去のやりとりをAIが覚えている範囲です。

[1回目] 当社のマーケティング戦略について壁打ちしたい。ターゲットは30代女性...
[2回目] さっきの戦略をベースに、SNS広告のコピーを3パターン作って
[3回目] 2番目のコピーをもう少しカジュアルにして

会話が進むにつれ、AIは前のやりとりを参照して回答を調整します。

レベル3:システムコンテキスト

AIに事前に設定する「人格」や「ルール」です(システムプロンプトとも呼ばれます)。

あなたは日本の中小企業に精通した経営コンサルタントです。
常にデータに基づいた提案をしてください。
感情的な表現は避け、具体的な数字を含めてください。

Quick Check: 3つのコンテキストレベルのうち、一番手軽に試せるのはどれですか?(タスクコンテキスト)

AIのメモリの限界

レッスン2で学んだコンテキストウィンドウを思い出してください。AIには「短期記憶」の上限があります。

会話が長くなると起きること:

  1. 最初の方の指示を「忘れる」(見えなくなる)
  2. トーンや方向性がブレ始める
  3. 同じことを繰り返し始める

対策:

問題対策
指示を忘れる重要な指示を5〜10回のやりとりごとに再提示する
話題がブレるトピックごとに新しい会話を始める
一貫性がなくなる「ここまでの方向性を維持して」と明示する

実践テクニック:コンテキストの渡し方

テクニック1:ブリーフィングシート

長いプロジェクトの場合、最初に「ブリーフィングシート」を渡します:

# プロジェクトブリーフ
- 企業名:ABC株式会社
- 業種:食品メーカー
- 従業員数:200名
- 今回の目的:社内報のリニューアル
- ターゲット読者:全社員(平均年齢38歳)
- 予算:月50万円
- スケジュール:来月リリース

以降のやりとりでは、このブリーフを参照して回答してください。

テクニック2:段階的な指示

一度に全部を伝えるのではなく、段階的にコンテキストを追加していきます:

[1] まず方向性を確認 → [2] 詳細を追加 → [3] 調整

この方法だと、各ステップでAIの理解度を確認しながら進められます。

テクニック3:要約をリセットポイントにする

会話が長くなったら、AIに「ここまでの内容を要約して」と依頼。その要約を新しい会話の冒頭に貼り付けて再スタートすると、コンテキストを維持したまま会話をリフレッシュできます。

Quick Check: 会話が30往復を超えてAIの回答がブレ始めました。最も効果的な対策は?(要約を取得して新しい会話で再スタート)

Key Takeaways

  • コンテキストは3レベル:タスク、会話、システム
  • AIの「記憶」には限界がある — 長い会話ほど初期の情報を忘れやすい
  • 重要な指示は定期的にリマインドする
  • ブリーフィングシートで最初にまとめて渡すと効率的
  • 会話が長くなったら「要約 → 新規チャット」でリフレッシュ

Up Next

コンテキストの渡し方がわかったら、次は「出力フォーマット」です。表、箇条書き、メール形式、コード……AIの回答の形を自在にコントロールする方法を学びます。

理解度チェック

1. AIのコンテキストウィンドウが一杯になるとどうなりますか?

2. 長い会話でAIの回答精度を維持するには?

すべての問題に答えてから確認できます

まず上のクイズを完了してください

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