レッスン 7 15分

高度なテクニック

Chain-of-Thought、Few-Shot、ロール設定など、AIの回答品質を飛躍的に高めるプロンプトテクニックを学びます。

基本の先にあるもの

🔄 Quick Recall: ここまでで、プロンプトの4要素(レッスン3)、コンテキスト管理(レッスン4)、出力フォーマット(レッスン5)、よくある失敗パターン(レッスン6)を学びました。基本はしっかり身についています。

ここからは、AI活用の上級者が使っている3つのテクニックを紹介します。どれも「知っているかどうか」で結果が大きく変わるものです。

テクニック1:Chain-of-Thought(思考の連鎖)

AIに「ステップバイステップで考えて」と指示するだけで、複雑な問題の回答精度が劇的に上がります。

なぜ効果があるのか? AIは一気に答えを出そうとすると、途中の論理を飛ばしてしまうことがあります。段階的に考えさせると、各ステップで正確さを維持できます。

普通のプロンプト:

月給30万円の社員を5人採用する場合の年間人件費を計算して。

Chain-of-Thoughtプロンプト:

月給30万円の社員を5人採用する場合の年間人件費を計算してください。
ステップバイステップで、以下を順番に計算してください:
1. 月給の合計
2. 年間の基本給合計
3. 社会保険料(約15%)
4. ボーナス(年2回、各1ヶ月分と仮定)
5. 最終的な年間人件費の合計

2つ目のプロンプトでは、AIが各ステップの計算過程を見せてくれるので、途中の間違いにも気づきやすくなります。

Chain-of-Thoughtが特に有効な場面:

  • 数値計算を含む分析
  • 原因の推論(なぜこの問題が起きたか)
  • 比較検討(A案 vs B案の評価)
  • 戦略の立案(現状分析 → 課題特定 → 対策案)

Quick Check: 「新商品の価格設定をして」というプロンプトを、Chain-of-Thought方式に変えるとしたら、どんなステップを含めますか?(例:原価計算、競合価格調査、ターゲット層の支払い意思額、利益率設定)

テクニック2:Few-Shot(例示学習)

AIに「こういう形式で」と例を見せてから依頼する方法です。百の説明より、一つの良い例。

Zero-Shot(例なし):

商品レビューの感情分析をして。

Few-Shot(例あり):

以下の形式で商品レビューの感情分析をしてください。

例1:
レビュー:「配送が早くて助かりました。ただ箱が少し凹んでました」
感情:やや肯定的
理由:配送スピードへの満足が主だが、梱包への不満が一部ある

例2:
レビュー:「全然使い物にならない。返品します」
感情:否定的
理由:製品への強い不満と返品意思を明確に表明

---
では以下のレビューを分析してください:
「デザインは気に入ってるけど、バッテリーの持ちがもう少し良ければ完璧なのに」

例を2つ見せるだけで、AIは出力の形式、分析の粒度、判断基準を正確に理解します。

Few-Shotのコツ:

ポイント説明
例は2〜3個で十分多すぎるとコンテキストウィンドウを消費する
例の品質を揃えるバラバラな形式だとAIが混乱する
境界ケースを含める簡単な例だけでなく、判断が難しい例も入れる
区切りを明確に例と本番の依頼を「—」で区切る

Quick Check: 社内の問い合わせメールを「技術的」「事務的」「緊急」に分類するFew-Shotプロンプトを作る場合、例をいくつ含めるのが理想的ですか?(各カテゴリ1つずつの3つ)

テクニック3:ロール設定(ペルソナ指定)

レッスン3で少し触れた「役割」の指定を、もっと深く使う方法です。

基本のロール設定:

あなたはマーケティングの専門家です。

詳細なロール設定:

あなたは、日本のBtoB SaaS企業で10年の経験を持つ
マーケティング部長です。特にコンテンツマーケティングと
SEO戦略に強みがあります。データに基づいた提案を重視し、
ROIを常に意識して回答してください。

詳細なロールを設定すると、回答の専門性、視点、語彙が自然に変わります。

ロール設定の組み合わせ例:

以下の3つの視点から、「リモートワーク全面導入」について意見を出してください。

1. 人事部長として:人材確保と社員満足度の観点から
2. 財務責任者として:コスト削減と生産性の観点から
3. 現場マネージャーとして:チーム管理とコミュニケーションの観点から

各視点200字以内で。

複数のロールを使い分けることで、一つの課題を多角的に分析できます。

3つのテクニックを組み合わせる

実務では、これらのテクニックを組み合わせて使うと最も効果的です。

あなたは人事コンサルタントです。(ロール設定)

以下の形式で従業員アンケートの自由回答を分析してください。(Few-Shot)

例:
回答:「上司との1on1が形骸化していて意味を感じない」
カテゴリ:マネジメント
深刻度:中
提案:1on1のアジェンダテンプレートを導入し、部下主導の運用に変更

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では以下の回答を、ステップバイステップで分析してください:(Chain-of-Thought)
1. まずキーワードを抽出
2. カテゴリを判定
3. 深刻度を評価
4. 具体的な改善提案を作成

回答:「在宅勤務の日に急なオンライン会議が多すぎて集中できない」

Key Takeaways

  • Chain-of-Thought — 「ステップバイステップで」と指示するだけで、複雑な推論の精度が向上する
  • Few-Shot — 2〜3個の良い例を見せると、AIが形式と品質を正確に再現する
  • ロール設定 — 詳細な役割を指定すると、専門性と視点が自動調整される
  • 組み合わせ — 3つのテクニックは併用可能。実務では組み合わせが最強

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最終レッスンです。レッスン8では、これまで学んだすべてのスキルを組み合わせた総合演習に取り組みます。コース全体を振り返り、実務で使えるチェックリストを完成させましょう。

理解度チェック

1. Chain-of-Thought(思考の連鎖)プロンプトが特に効果的な場面は?

2. Few-Shotプロンプトで最も重要なのは?

3. ロール設定を使う最大のメリットは?

すべての問題に答えてから確認できます

まず上のクイズを完了してください

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