提案書の構成と組み立て
助成金申請書のパーツを、審査員が迷わず読み進められるプロフェッショナルな構成に組み立てる方法。
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🔄 Quick Recall: 前のレッスンでは、ズームイン・ズームアウトのテクニックでデータと当事者ストーリーを組み合わせたニーズステートメントを書きました。そのニーズステートメントは、大きなパズルの一ピース。ここではすべてのピースの組み立て方を学びます。
構成は「戦略」である
助成金申請書はエッセイではありません。審査員を特定の順序で説得に導くための「構造化された論証」です。構成を正しく作るのは、単なるフォーマットの話ではなく、戦略的コミュニケーションそのもの。
このレッスンのゴール:申請書の標準的な構成要素と、最大のインパクトを生む組み立て方を理解する。
申請書の基本構成
助成元ごとに要件は異なりますが、ほとんどの申請書に含まれるコアパーツ:
| セクション | 目的 | 目安の長さ |
|---|---|---|
| 送付状(カバーレター) | 自己紹介と申請の要約 | A4 1枚 |
| 要旨(エグゼクティブサマリー) | 申請書全体の概要 | A4 1枚 |
| 団体概要 | 団体の実績と信頼性 | A4 1〜2枚 |
| ニーズステートメント | 課題とその根拠 | A4 1〜2枚 |
| 事業計画(プロジェクト概要) | 何をどうやるか | A4 3〜5枚 |
| 目標と成果指標 | 測定可能なターゲット | A4 1枚 |
| 評価計画 | 成果の測定方法 | A4 1〜2枚 |
| 予算と根拠説明 | 費用と説明 | A4 2〜4枚 |
| 継続計画 | 助成終了後の持続性 | A4 0.5〜1枚 |
| 添付資料 | 補足書類 | 必要に応じて |
鉄則:助成元の指定構成に必ず従う。 セクションの順番、命名、書式が指定されていたら、そのとおりに。日本の行政補助金では書式不備で「要件不適合」とされることもあります。
エグゼクティブサマリー
最後に書いて、最初に置く。 忙しい審査員が最初に読む1ページ。ここで「この申請書をどれだけ真剣に評価するか」が決まります。
エグゼクティブサマリーのチェックリスト:
- 団体の紹介(1文)
- 課題の要約(1文)
- 提案する事業内容(2文)
- 期待する成果(1文)
- 申請金額(1文)
AIで下書き:
以下の情報から、A4 1枚のエグゼクティブサマリーを作成してください:
団体:[名称とミッション]
課題:[ニーズステートメントの要約]
事業:[何をするか]
期待成果:[予想される結果]
申請額:[金額]
事業期間:[タイムライン]
明確で自信のある文体で。専門用語なし。すべての文がその場所にいる理由を持つように。
✅ Quick Check: エグゼクティブサマリーを「最後に書いて最初に置く」のはなぜか?全体を書き終えてからでないと正確な要約はできません。でも審査員が最初に読むのはここ。全体像を最も凝縮した形で伝える1ページです。
事業計画:申請書の心臓部
具体的に何をするか、どうやるか、なぜそのアプローチが有効かを説明するセクション。
5つの問いで事業計画を構成:
- 何をするか? 具体的な活動と介入内容
- 誰がやるか? スタッフの資格と役割
- 誰が対象か? ターゲット層と人数
- どこでいつ? 活動場所とスケジュール
- なぜこのアプローチ? 有効性の根拠
変化理論(セオリー・オブ・チェンジ)を示す:
もし[介入内容]を
[対象者]に対して
[具体的活動]を通じて提供すれば
[期待される変化]が起こる
なぜなら[根拠・エビデンス]
この論理の連鎖が審査員の理解を助けます。
目標・目的・成果指標
審査員がもっとも注目するセクション。あいまいな目標は不採択の原因、具体的で測定可能な目的は採択の鍵。
階層構造:
- 目標(Goal): 達成したいことの大まかな方向性(1プロジェクトに1〜2つ)
- 目的(Objective): 測定可能な具体的ターゲット(1目標に2〜4つ)
- 成果(Outcome): 目的の達成から生じる変化
すべての目的をSMART基準で:
| 要素 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| S(Specific) | 具体的 | 読解力を向上させる |
| M(Measurable) | 測定可能 | 標準テストで20%改善 |
| A(Achievable) | 達成可能 | パイロット事業の結果に基づく |
| R(Relevant) | 助成元の目的に関連 | 助成元の教育支援優先事項に合致 |
| T(Time-bound) | 期限付き | 事業開始から12か月以内 |
AIであいまいな目標をSMART目的に変換:
以下のあいまいな目標をSMART目的に変換してください:
目標1:若者の就労を改善する
目標2:フードロスを削減する
目標3:[あなたの目標]
各目標について、2〜3つの具体的で測定可能な目的を、
現実的なターゲット数値とタイムフレーム付きで作成してください。
対象者:[説明]
団体のキャパシティ:[現実的に達成可能な範囲]
✅ Quick Check: SMART基準の各要素と、助成金申請書の目的設定でそれぞれがなぜ重要か整理してみてください。あいまいな「改善する」をSMARTに変換すると、審査員の信頼度がどう変わるか考えてみましょう。
ロジックモデル
多くの助成元がロジックモデルの提出を求める、または評価するポイントにしています。プロジェクト全体の理論を視覚的にまとめた図表:
インプット → アクティビティ → アウトプット → アウトカム → インパクト
スタッフ3名 学習支援 年間200人に 読解力20% 5年後の
ボランティア セッション サービス提供 向上 高校進学率
教材・備品 保護者 40回の 保護者の 改善
助成金 ワークショップ 研修実施 関与率80%
AIでロジックモデルを下書き:
以下のプロジェクトのロジックモデルを作成してください:
事業内容:[プロジェクトの説明]
使えるリソース:[スタッフ、予算、施設]
対象者:[誰にサービスを提供するか]
期間:[事業期間]
インプット、アクティビティ、アウトプット、短期アウトカム、長期インパクトの
5列の表形式で。
評価計画
助成元は「プロジェクトが本当に機能したことをどう証明するか」を知りたがっています。
2つのタイプの評価:
- プロセス評価: 計画通りに実施したか?(アウトプットで追跡)
- 成果評価: 変化は起きたか?(測定可能な変化で追跡)
各目的について明記:
- 何を測定するか
- どう測定するか(ツール、アンケート、テスト)
- いつ測定するか(事前・中間・事後)
- 誰が評価を行うか
やってみよう
自分のプロジェクトの申請書アウトラインを作ってみましょう:
- ターゲット助成元の指定セクション一覧を確認(なければ基本構成を使用)
- SMART目的を1つ書く
- 上のテンプレートで簡単なロジックモデルを下書き
- 3文のエグゼクティブサマリーを書く
- AIを使って目的とロジックモデルをブラッシュアップ
書き始める前に構成を固めておけば、締め切り直前の混乱を防ぎ、質の高い申請書になります。
Key Takeaways
- 助成元が指定する構成を正確に守る——審査員は指定セクションに対応した採点基準で評価するため
- エグゼクティブサマリーは最後に書いて最初に置く——全体を凝縮した1ページで審査員の本気度が決まる
- 事業計画は「何を・誰が・誰に・どこで・なぜ」を変化理論(セオリー・オブ・チェンジ)で論理的につなぐ
- あいまいな目標をSMART目的に変換する——具体的・測定可能・達成可能・関連・期限付き
- ロジックモデルでインプット→アクティビティ→アウトプット→アウトカム→インパクトの連鎖を可視化
次のレッスン: レッスン5「予算計画とスケジュール設計」では、組織の実行力を示す現実的な予算と、審査員を納得させるスケジュールの作り方を学びます。
理解度チェック
まず上のクイズを完了してください
レッスン完了!