チーム連携と多職種コミュニケーション
申し送り、紹介状、多職種カンファレンスの効率化。ケアの継ぎ目で情報が途切れない構造化コミュニケーション。
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🔄 Quick Recall: 前回のレッスンでは、AIを使った文献レビューの効率化——ハルシネーション対策、週次バッチ処理、エビデンスサマリーの作成法を学んだ。今回は、チーム内のコミュニケーションにフォーカスし、情報の漏れを防ぐ構造化テンプレートを構築する。
伝わらなかった申し送り
夜勤の看護師が術後患者の申し送りを受けた。日勤の看護師は「順調です、少し痛みがあります」と伝えた。伝わらなかったのは:この2時間で痛みが増強していること、術創部に新たな排液があること、「痛みが7/10に達したら外科医へ連絡」という指示があること。
夜勤の看護師が外科医に連絡したのは、患者の状態が著しく悪化した3時間後だった。
ケアの移行は患者が最も危険にさらされるタイミング。AIはコミュニケーション文化を変えられないが、正しい情報が構造化されて毎回確実に伝達される仕組みは作れる。
不完全な申し送りのコスト
- 重大な医療事故の推定80%が、ケアの移行時の情報伝達ミスに関与
- 平均的な臨床家は週に数十回の申し送りを行う
- 各申し送りが情報の欠落・歪曲・遅延のリスクポイント
- チーム医療が複雑化するほど、連携の負担は増大する
構造化された申し送りサマリー
SBAR(Situation, Background, Assessment, Recommendation)フレームワークは効果がある。問題は、時間に追われる中での一貫した運用。AIで構造化された申し送りを素早く作成する:
[病棟タイプ]の看護師が[人数]人の患者を申し送る
テンプレートをSBAR形式で作成して:
各患者の枠:
S — 状況(Situation):
部屋番号、年齢、性別、主治医
入院理由(診断名、入院日数)
現在の状態を一文で
B — 背景(Background):
関連する既往歴(簡潔に)
主要な薬剤と最近の変更
アレルギー(重要なものを強調)
この勤務帯の重要イベント
A — 評価(Assessment):
バイタルの推移(直近だけでなくトレンド)
疼痛レベルと管理状況
この勤務帯の主な評価所見
前の勤務帯からの変化
R — 推奨(Recommendation):
次の勤務帯への保留タスク
予想される必要事項(投薬時刻、検査結果、処置)
注意すべき懸念事項
保留中の指示や連絡事項
各患者は半ページ以内。
最上部に「安全フラグ」行:転倒リスク、隔離、
アレルギー、DNARの有無。
✅ Quick Check: 直近で受けた申し送りを思い出そう。「あの情報を先に聞いていたら」と思ったことはないだろうか? そのギャップこそ、構造化テンプレートが防ぐもの。
効果的な紹介状
良い紹介状は全員の時間を節約する——専門医は文脈を得て、患者は同じ話を繰り返さず、的を射た返書が戻ってくる。
専門医が実際に求めているもの:
- 明確な臨床的疑問
- 関連する病歴(全てではなく、関係するものだけ)
- これまでに試したこと・除外したこと
- 現在の薬
- 患者の生活背景と目標
[自分の診療科・職種]から[紹介先の診療科]への
紹介状を作成して:
患者情報(匿名化済み):
- [年齢/性別]:[関連する基本情報]
- 主訴:[記載]
- 経過:[いつから、どのような経過か]
- これまでの対応:[検査、治療、介入]
- 結果:[効果があったもの、なかったもの、検査結果]
臨床的疑問:[専門医に具体的に何を評価・
推奨してもらいたいか?]
関連する既往歴:[この紹介に関係するもののみ]
現在の薬:[リスト]
アレルギー:[リスト]
形式:
- 専門的だが簡潔に
- 臨床的疑問を冒頭に
- 裏付け情報を論理的に整理
- 緊急度を記載
臨床的疑問の例:
- 「8週間の理学療法で改善しない膝痛について、手術適応の評価をお願いしたい」
- 「予防薬最大量で改善しない片頭痛について、代替管理のご指導をお願いしたい」
- 「3ヶ月間上昇傾向の肝酵素(ウイルスパネル陰性)について、肝精査をお願いしたい」
多職種ケアプラン
複雑な患者は複数の職種が関わる。全員が使える共有ケアサマリーをAIで作成:
複数の職種が関わる患者のケアプランサマリーを作成して:
患者情報(匿名化済み):
- [年齢/性別/主病名]
- [多職種が関わる主な課題]
関与する職種:
- 医師:[担当領域]
- 看護師:[担当領域]
- リハビリ(PT/OT/ST):[担当領域]
- MSW:[担当領域]
- 栄養士:[担当領域]
- その他:[担当領域]
文書の構成:
1. 共有目標(全員が目指すゴール)
2. 職種別プラン(各チームの役割を明確に)
3. 連携ポイント(職種間で情報共有が必要な場面)
4. 患者・家族への説明(誰が何を伝えるか)
5. 退院基準(退院に必要な条件)
6. 次回カンファレンスの日時とアジェンダ
✅ Quick Check: 自分の施設で、多職種間の情報共有が最もうまくいっていない場面はどこだろうか? そこが最初に構造化すべきポイント。
家族への説明テンプレート
家族は明確で、思いやりがあり、一貫した情報を必要としている:
[入院中/外来通院中]の患者について、
家族向けの状況説明テンプレートを作成して:
含めること:
- 現在の状態(平易な言葉、専門用語を避けて)
- 前回のアップデート以降の変化
- これからの予定
- 見通し(現実的な範囲、約束ではなく目安)
- ご家族にできること
- 医療チームへの質問リスト
- 次の説明の時期
トーン:温かく、正直に、家族の不安に配慮して。
医療の知識がない方を想定。
誰が説明しても一貫した内容が伝わるようになる。
ケアの移行
施設間の移行——急性期から回復期リハビリへ、病棟から在宅へ、救急外来から入院へ——はリスクが高い:
[現在の施設]から[移行先の施設]へ移行する患者の
ケアサマリーを作成して:
含めること:
1. 臨床サマリー:入院理由、実施した治療、現在の状態
2. 活動中の問題:現在の管理とともにリスト化
3. 薬剤:完全なリスト(最近の変更をハイライト)
4. アレルギーと注意事項
5. ADL状況:患者が自立してできること
6. 継続的なニーズ:保留中の検査、フォロー、
必要なリハビリ
7. 事前指示:急変時の対応、キーパーソン
8. 患者・家族の希望:目標、懸念、配慮事項
9. 未解決の課題:受け入れ先が対応すべき事項
10. 連絡先:質問時の問い合わせ先
受け入れ先が必要な情報を網羅しつつ、
素早く必要な情報を見つけられる構成で。
コミュニケーションプロトコルライブラリ
繰り返し発生するシナリオの標準テンプレートを構築:
| シナリオ | テンプレート要素 |
|---|---|
| 勤務交代の申し送り | SBAR+安全フラグ |
| 紹介状 | 臨床的疑問+裏付けデータ |
| 退院時 | 指導書+フォロー+要注意症状 |
| 家族への説明 | 現状+予定+見通し+できること |
| 施設間の移行 | 臨床サマリー+継続ニーズ |
| 急変対応 | 状況+バイタル+要請内容 |
| インシデント報告 | 事象+対応+フォロー |
AIで一度テンプレートを作り、実際の使用で改善し、チームで共有する。
Key Takeaways
- ケアの移行は患者が最も脆弱になるタイミング——構造化されたコミュニケーションがエラーを防ぐ
- SBARは効果的——課題は時間に追われる中での一貫した運用。AIで作成を速くする
- 紹介状は明確な臨床的疑問で始める——データの羅列ではなく方向性を示す
- 多職種ケアプランは各職種の役割が連動していることを可視化する
- 家族への説明は一貫性・思いやり・専門用語なしの3原則
- テンプレートライブラリを構築し、チームで共有・改善する
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