職場のEQ:チーム・リーダーシップ・フィードバック
職場の課題にEQを適用する——チームダイナミクス、フィードバックの授受、社内政治、エンパシーリーダーシップ。
🔄 Quick Recall: 前回のレッスンでプレッシャー下の感情調整を学んだ——90秒ルール、認知的再評価、「我慢」と「調整」の違い。今回はすべてのEQスキルを、起きている時間の大半を過ごす場所に適用する:職場。
職場は感情のアリーナ
職場には感情がないと思いがち。「仕事だから」「プロフェッショナルだから」。
でも実際には、キャリアを左右する判断の多くが感情に影響されている。昇進を逃した悔しさ。評価面談の緊張。同僚との微妙な力関係。「あの人がまた…」という日々の小さな苛立ち。
日本の職場は特に感情の扱いが複雑。報連相、根回し、忖度、上下関係——すべてが「空気を読む」力を要求する。
フィードバックを「伝える」EQ
サンドイッチ法の限界
「褒める → 指摘 → 褒める」は古典的だが、多くの人が構造を見抜く。「褒めのあとは本題(ダメ出し)が来る」と身構えてしまう。
より効果的:SBI法
| ステップ | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| S(Situation) | 具体的な場面 | 「先週のクライアント会議で」 |
| B(Behavior) | 観察した行動 | 「質問に対する回答がデータなしだった」 |
| I(Impact) | その影響 | 「クライアントの信頼度が下がった印象がある」 |
日本語では「先週のクライアント会議の件なのですが(S)、質問への回答でデータの裏付けがなかったように見えました(B)。先方の反応が少し硬くなった気がして(I)」という流れ。
フィードバックを「受ける」EQ
AIにフィードバックを受ける練習をしてもらいたい。
あなたは私の上司役を演じてください。
以下のフィードバックを伝えてください:
[フィードバック内容]
私が防御的になったら指摘してください。
うまく受け取れたら教えてください。
受けるときの3ステップ
- 聞く ——反論は後。「最後まで聞かせてください」
- 確認する ——「つまり〇〇ということですね?」
- 感謝する ——「伝えてくれてありがとうございます。考えさせてください」
✅ Quick Check: 上司から「プレゼンの構成が分かりにくい」と言われた。反射的に「でも時間がなくて…」と言い訳が出そうになる。EQ的には?——まず聞く。「具体的にどの部分が分かりにくかったですか?」と確認。その情報を持ち帰って改善する。言い訳は防御反応であって解決ではない。
会議のEQ
日本の会議は「空気」で動くことが多い。発言しにくい空気、決まっている空気、反対できない空気。
| 場面 | EQの低い対応 | EQの高い対応 |
|---|---|---|
| 上司の提案に違和感 | 黙って従う | 「〇〇という方向性はよく分かります。一点だけ確認なのですが…」 |
| 部下がミス | 皆の前で叱る | 1対1で「何が起きたか教えて」 |
| 議論が平行線 | 声が大きい人が勝つ | 「両方の意見を整理しませんか」 |
| 自分の提案が無視された | 怒りを溜める | 「先ほどの件、もう少し説明させてもらえますか」 |
感情労働を認識する
感情労働とは「職場の期待に合わせて感情を管理する努力」:
- クレーム対応で笑顔を保つ
- 上司の理不尽な要求に冷静に対応する
- チームの士気を保つために不安を見せない
- 板挟みの中で両方の味方をする
これは実在する消耗。認知的・身体的な労働と同じようにエネルギーを使う。自分の感情労働を認識し、回復の時間を意図的に取ることが、燃え尽きの防止になる。
Key Takeaways
- フィードバックは「人格の評価」ではなく「行動の改善データ」——リフレームで痛みが軽減する
- SBI法(状況→行動→影響)はサンドイッチ法より構造が見抜かれにくい
- チーム対立の解決は「根本ニーズの特定」がカギ——表面の主張と裏のニーズは違う
- 日本の会議文化でEQを発揮するには「和を保ちつつ率直に」のバランスが必要
- 感情労働は実在する消耗——認識し、回復時間を取ることが燃え尽き防止になる
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レッスン7:人間関係のEQでは、職場から家庭に場面を移す。パートナー、家族、友人との関係にEQスキルを適用する——そして「なぜ家庭の方が難しいのか」を理解する。
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