レッスン 7 12分

自分だけの投資戦略

個人投資戦略を作成する。アプローチを定義し、ルールを設け、投資を「怖い」から「仕組み」に変える習慣を身につける。

🔄 Quick Recall: 前回のレッスンで市場分析と経済指標を学んだ。知識はすべて揃った。今回はそれを「行動に変えるシステム」にまとめる。

知識を行動に変える

株式、債券、ETF、決算書、ポートフォリオ、リスク、市場を理解した。でも計画なき知識はただのトリビア。ここからは、学んだすべてを一貫した行動に変える仕組みを作る。

投資ポリシーステートメント(IPS)

IPSは投資人生で最も重要な書類。感情が介入する前に、戦略を書面で定義するもの。

以下に基づいて、投資ポリシーステートメントを作って:

年齢:[X]歳
投資期間:[X]年
毎月の投資額:[X]万円
リスク許容度:[保守的/中程度/積極的]
投資目標:
  1. [目標1:期間、必要額]
  2. [目標2:期間、必要額]
現在の貯蓄:[X]万円
現在の借入:[X]万円
生活防衛資金:[X]ヶ月分

IPSに含めるもの:
1. 投資目標(何を達成したいか)
2. 目標アセットアロケーション
3. 具体的な投資商品(ETF/投資信託)
4. 積立スケジュール
5. リバランスルール
6. やらないことリスト(行動の歯止め)
7. 見直しスケジュール

目標別の投資戦略

目標によってアプローチを変える:

目標期間戦略リスク
生活防衛資金今すぐ普通預金/個人向け国債ゼロ
旅行1-2年普通預金 or 短期債券非常に低い
住宅頭金3-5年債券多めのポートフォリオ低〜中
教育資金10-18年株式・債券バランス型中程度
老後資金(若い)20-40年株式多めのポートフォリオ中〜高
老後資金(近い)5-10年バランス型→徐々に債券へ低〜中

黄金ルール: 期間が短いほど、リスクは低くする。2年以内に使うお金は、ボラティリティの高い株式に入れてはいけない。

日本の税制優遇制度をフル活用

新NISA

年間上限対象商品特徴
つみたて投資枠120万円金融庁選定の投資信託長期積立向け
成長投資枠240万円株式・ETF・投資信託柔軟な投資
非課税保有限度額1,800万円生涯で1,800万円まで

iDeCo(個人型確定拠出年金)

  • 掛金が全額所得控除(節税効果が大きい)
  • 運用益が非課税
  • 受取時も退職所得控除/公的年金等控除あり
  • 60歳まで引き出せない

おすすめの使い分け

iDeCo → まず老後資金として満額拠出(節税メリット最大)
新NISAつみたて枠 → 次に長期積立用(月10万円まで)
新NISA成長枠 → 余裕があれば追加投資
特定口座 → 上記の枠を使い切ったら

複利の力

複利は投資で最も強い力。リターンがリターンを生む。

毎月3万円、年利5%で積立した場合:

年数投資総額資産額利益
5年180万円204万円24万円
10年360万円466万円106万円
20年720万円1,233万円513万円
30年1,080万円2,497万円1,417万円

30年後、投資額1,080万円に対して利益が1,417万円——投資額以上の利益。これが複利の力。

Quick Check: Aさんは25歳から月3万円を10年間投資して35歳でやめた(投資額360万円)。Bさんは35歳から月3万円を30年間投資した(投資額1,080万円)。年利5%で、65歳時点ではどちらが多い?

投資の習慣化

戦略は実行しなければ絵に描いた餅。習慣にする方法:

すべてを自動化する:

  • 毎月の積立を自動設定(SBI証券、楽天証券なら数分で設定可能)
  • 給料日の翌日に自動引落しを設定
  • 自分の意志力に頼らない仕組みにする

先取り貯蓄(天引き方式):

  1. 収入が入る
  2. 同日に自動で投資口座へ振替
  3. 残りで生活する

「余ったら投資する」ではダメ。余ることはない。

少額でもゼロよりマシ:

  • 月1,000円でも月0円とは天と地の差
  • 収入が増えたら積立額を増やす
  • 金額より習慣が大事

よくある戦略ミス

ミスなぜ有害より良いアプローチ
「良いタイミング」を待つ完璧なエントリーポイントは存在しない。待つ間に複利を逃す今すぐ始める
毎日チェック不安と衝動的な判断を生む月1回、できれば四半期に1回
ホットな情報を追う噂は通常遅れて到着し、信頼性が低い自分の戦略を守る
下落時に積立を止める回復を逃し、安く買えるチャンスも逃す自動積立を続ける
「月3万円じゃ意味ない」複利はどんな金額にも働く金額より継続が大事

Key Takeaways

  • 投資ポリシーステートメントは感情的な判断に対する最強の防御——書面で作成し、従う
  • 目標ごとに戦略を変える——期間が短いほどリスクは低く
  • 複利は時間を最も報いる——早く始めることが最大のアドバンテージ
  • 新NISAとiDeCoの税制メリットを最大限に活用する
  • すべてを自動化して感情と意志力を排除する
  • 少額で始めてもゼロとの差は無限大——習慣が金額より重要

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レッスン8:はじめての投資プランでは、すべてを統合して実際の投資プランを作成する。

理解度チェック

1. 投資ポリシーステートメント(運用方針書)を書面で作成することが重要な理由は?

2. 長期投資の成功において最も重要な要因は?

3. 新NISAとiDeCoを組み合わせる最適な使い方は?

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