自分だけの投資戦略
個人投資戦略を作成する。アプローチを定義し、ルールを設け、投資を「怖い」から「仕組み」に変える習慣を身につける。
🔄 Quick Recall: 前回のレッスンで市場分析と経済指標を学んだ。知識はすべて揃った。今回はそれを「行動に変えるシステム」にまとめる。
知識を行動に変える
株式、債券、ETF、決算書、ポートフォリオ、リスク、市場を理解した。でも計画なき知識はただのトリビア。ここからは、学んだすべてを一貫した行動に変える仕組みを作る。
投資ポリシーステートメント(IPS)
IPSは投資人生で最も重要な書類。感情が介入する前に、戦略を書面で定義するもの。
以下に基づいて、投資ポリシーステートメントを作って:
年齢:[X]歳
投資期間:[X]年
毎月の投資額:[X]万円
リスク許容度:[保守的/中程度/積極的]
投資目標:
1. [目標1:期間、必要額]
2. [目標2:期間、必要額]
現在の貯蓄:[X]万円
現在の借入:[X]万円
生活防衛資金:[X]ヶ月分
IPSに含めるもの:
1. 投資目標(何を達成したいか)
2. 目標アセットアロケーション
3. 具体的な投資商品(ETF/投資信託)
4. 積立スケジュール
5. リバランスルール
6. やらないことリスト(行動の歯止め)
7. 見直しスケジュール
目標別の投資戦略
目標によってアプローチを変える:
| 目標 | 期間 | 戦略 | リスク |
|---|---|---|---|
| 生活防衛資金 | 今すぐ | 普通預金/個人向け国債 | ゼロ |
| 旅行 | 1-2年 | 普通預金 or 短期債券 | 非常に低い |
| 住宅頭金 | 3-5年 | 債券多めのポートフォリオ | 低〜中 |
| 教育資金 | 10-18年 | 株式・債券バランス型 | 中程度 |
| 老後資金(若い) | 20-40年 | 株式多めのポートフォリオ | 中〜高 |
| 老後資金(近い) | 5-10年 | バランス型→徐々に債券へ | 低〜中 |
黄金ルール: 期間が短いほど、リスクは低くする。2年以内に使うお金は、ボラティリティの高い株式に入れてはいけない。
日本の税制優遇制度をフル活用
新NISA
| 枠 | 年間上限 | 対象商品 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円 | 金融庁選定の投資信託 | 長期積立向け |
| 成長投資枠 | 240万円 | 株式・ETF・投資信託 | 柔軟な投資 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円 | — | 生涯で1,800万円まで |
iDeCo(個人型確定拠出年金)
- 掛金が全額所得控除(節税効果が大きい)
- 運用益が非課税
- 受取時も退職所得控除/公的年金等控除あり
- 60歳まで引き出せない
おすすめの使い分け
iDeCo → まず老後資金として満額拠出(節税メリット最大)
新NISAつみたて枠 → 次に長期積立用(月10万円まで)
新NISA成長枠 → 余裕があれば追加投資
特定口座 → 上記の枠を使い切ったら
複利の力
複利は投資で最も強い力。リターンがリターンを生む。
毎月3万円、年利5%で積立した場合:
| 年数 | 投資総額 | 資産額 | 利益 |
|---|---|---|---|
| 5年 | 180万円 | 204万円 | 24万円 |
| 10年 | 360万円 | 466万円 | 106万円 |
| 20年 | 720万円 | 1,233万円 | 513万円 |
| 30年 | 1,080万円 | 2,497万円 | 1,417万円 |
30年後、投資額1,080万円に対して利益が1,417万円——投資額以上の利益。これが複利の力。
✅ Quick Check: Aさんは25歳から月3万円を10年間投資して35歳でやめた(投資額360万円)。Bさんは35歳から月3万円を30年間投資した(投資額1,080万円)。年利5%で、65歳時点ではどちらが多い?
投資の習慣化
戦略は実行しなければ絵に描いた餅。習慣にする方法:
すべてを自動化する:
- 毎月の積立を自動設定(SBI証券、楽天証券なら数分で設定可能)
- 給料日の翌日に自動引落しを設定
- 自分の意志力に頼らない仕組みにする
先取り貯蓄(天引き方式):
- 収入が入る
- 同日に自動で投資口座へ振替
- 残りで生活する
「余ったら投資する」ではダメ。余ることはない。
少額でもゼロよりマシ:
- 月1,000円でも月0円とは天と地の差
- 収入が増えたら積立額を増やす
- 金額より習慣が大事
よくある戦略ミス
| ミス | なぜ有害 | より良いアプローチ |
|---|---|---|
| 「良いタイミング」を待つ | 完璧なエントリーポイントは存在しない。待つ間に複利を逃す | 今すぐ始める |
| 毎日チェック | 不安と衝動的な判断を生む | 月1回、できれば四半期に1回 |
| ホットな情報を追う | 噂は通常遅れて到着し、信頼性が低い | 自分の戦略を守る |
| 下落時に積立を止める | 回復を逃し、安く買えるチャンスも逃す | 自動積立を続ける |
| 「月3万円じゃ意味ない」 | 複利はどんな金額にも働く | 金額より継続が大事 |
Key Takeaways
- 投資ポリシーステートメントは感情的な判断に対する最強の防御——書面で作成し、従う
- 目標ごとに戦略を変える——期間が短いほどリスクは低く
- 複利は時間を最も報いる——早く始めることが最大のアドバンテージ
- 新NISAとiDeCoの税制メリットを最大限に活用する
- すべてを自動化して感情と意志力を排除する
- 少額で始めてもゼロとの差は無限大——習慣が金額より重要
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