プロンプティングを超える:AIの思考を設計する
個別のプロンプトから推論アーキテクチャへ。複雑な問題を確実に解くシステム思考への転換を学ぶ。
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プロンプティングの天井
AIをそれなりに使っている。ロール、コンテキスト、チェーン・オブ・ソート、Few-shot。いい結果が出る——大半の場合は。
しかし一部の問題は、良いプロンプティングに抵抗する。事業戦略の分析が表面的に返ってくる。複雑なコーディングタスクに微妙な論理エラーが混じる。リサーチの統合が重要な接続を見落とす。何度も修正し、やり直しても、結果はじわじわとしか良くならない。
プロンプティングの天井にぶつかった。
🔄 Quick Recall: このコースはプロンプティングの基礎を前提とする上級コース。ロール・コンテキスト・チェーン・オブ・ソート・Few-shotが不慣れなら、先にプロンプトエンジニアリング入門コースを受講してほしい。
設計者の視点
1つのメールを上手に書くことと、組織全体のコミュニケーションシステムを設計することは、まったく別の仕事だ。
メールを書くのはプロンプトエンジニアリング。相手を考え、論を組み立て、トーンを調整する。
コミュニケーションシステムを設計するのは推論アーキテクチャ。情報の流れ、フィードバックループ、品質チェックポイント、異なる種類のメッセージがどう相互作用するかを考える。
両方大事。だがメールの書き方しか知らなければ、問題がシステム的なとき——つまり組織的・多段階の思考が必要なとき——に壁にぶつかる。
1つのプロンプトが限界に達する理由
複雑な問題を1つのプロンプトに押し込むとどうなるか:
問題:「当社の競争ポジションを分析し、3つの戦略機会を特定し、それぞれの実行計画を策定し、リスクと対策を評価して。」
AIの出力: すべてに触れるがどれも浅い。分析は表面的、機会は一般的、実行計画は具体性に欠け、リスク評価は定型文。
失敗の理由: 5つの認知的に異なるタスクを同時に要求した——分析(情報統合)、特定(創造的・戦略的思考)、策定(詳細計画)、評価(批判的評価)、対策(問題解決)。それぞれに集中力が必要。1つのプロンプトに詰め込むのは、小説を書きながら編集し、表紙をデザインし、マーケティングを計画し、出版社にピッチする——を一度にやるようなもの。
✅ Quick Check: AIの結果に失望した複雑なタスクを思い出してみよう。1つのプロンプトで認知ステップを詰め込みすぎていなかったか?
推論アーキテクチャの考え方
同じ問題を設計されたシステムで解くとどうなるか:
ステージ1——分析: コンテキストを読み込み、AIに深い競合分析を実行させる。確認・検証。
ステージ2——洞察: 検証済みの分析をAIに渡し、機会の特定に集中させる。拡散思考のテクニックを使う。
ステージ3——批評: AIに自身の機会を批判させる。「それぞれの何が問題か?何を見落としているか?どんな前提を置いているか?」
ステージ4——計画策定: ストレステストを生き残った機会を、個別の集中したやり取りで詳細計画に展開する。
ステージ5——リスク評価: 完全な実行計画をもとに、十分な文脈でリスクを評価する。
ステージ6——統合: すべてを一貫した戦略文書にまとめる。
各ステージに1つの認知的焦点。各ステージが前のステージの検証済み出力の上に構築される。最終結果は、1回のプロンプトとは次元が違う。
これが推論アーキテクチャだ。
このコースで学ぶこと
| レッスン | テーマ | 習得スキル |
|---|---|---|
| 1 | はじめに | 設計者の思考法 |
| 2 | システムプロンプト | AIの振る舞いを根本から制御する |
| 3 | 推論チェーン | 複雑な問題のマルチステップ処理 |
| 4 | 自己修正 | AIに自分のミスを発見・修正させる |
| 5 | メタプロンプティング | AIでAIを改善する |
| 6 | 問題分解 | 不可能に見える問題を分割する |
| 7 | 評価 | AIの性能を測定・ベンチマークする |
| 8 | 総仕上げ | 完全な推論システムを設計する |
思考の転換
| プロンプトエンジニア | 推論アーキテクト |
|---|---|
| 「この質問をどう聞くか?」 | 「この種の質問に答えるシステムをどう設計するか?」 |
| 個別のプロンプトを最適化 | やり取りのシーケンスを設計 |
| 出力の質に注目 | 推論の質に注目 |
| 結果が悪いと修正 | 検証をシステムに組み込む |
| AIツールを使う | AIワークフローを設計する |
| 「いい答えが出たか?」 | 「このシステムは確実にいい答えを出すか?」 |
キーワードは**「確実に」**。たまにいい答えが出るのは誰でもできる。アーキテクトは、一貫していい答えを出すシステムを構築する。
推論アーキテクチャの3つの柱
このコースのすべてが3つの柱の上に成り立つ:
1. 構造的分解
複雑な問題をAIが個別に処理できる要素に分割し、結果を組み合わせる。
2. フィードバックループ
自己修正・検証・改善をシステムに組み込み、エラーが伝播する前に捕捉する。
3. メタ認知
AIに自身の推論を推論させる——品質を評価し、弱点を特定し、プロセスを改善する。
以降のレッスンで、3つの柱を順に習得する。
Key Takeaways
- 良いプロンプトには天井がある——複雑な問題にはもう1段上が必要
- 推論アーキテクチャは個別プロンプトではなく、AIのやり取りのシステムを設計する
- 「プロンプト職人」から**「AI設計者」**へ——情報の流れ、検証、信頼性を考える
- 3つの柱:構造的分解、フィードバックループ、メタ認知
- このコースはプロンプティングの基礎の上に構築される
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レッスン2:システムプロンプトと行動設計——AIの振る舞いを根本から制御するシステムプロンプトの設計法を学ぶ。1回のやり取りだけでなく、ワークフロー全体にわたるAIの思考・対応を決める基盤の作り方。
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