レッスン 1 12分

行政とAIの現在地

日本の行政におけるAI活用の現状、今できること、責任ある導入の第一歩。

行政のAI活用は「未来」ではない

横須賀市が2023年4月、全国の自治体で初めてChatGPTを全庁に導入した。職員の80%以上が「業務に役立つ」と評価し、月間の利用回数は数千回に達した。

その後、つくば市、神戸市、さいたま市、戸田市など全国の自治体が次々とAI導入に踏み切った。2024年度には総務省もAI活用のガイドラインを整備し、デジタル庁が中心となって行政DXを推進している。

これは実験段階ではない。すでに業務の一部になっている。

What You’ll Learn

このコースの目標:

  • AIを使って行政文書(通知・報告書・議事録)を効率的に作成する
  • 統計データの分析と政策リサーチにAIを活用する
  • AI出力のバイアスと正確性を行政の倫理基準で評価する
  • 住民サービス・窓口業務のAIワークフローを構築する
  • デジタル庁のガイドラインに沿ったAIガバナンスを設計する
  • 防災・危機管理のコミュニケーションにAIを活用する

How This Course Works

各レッスンでは行政AI活用の一側面に焦点を当てる:

レッスンテーマやること
1はじめにAI活用の準備状況とデータ環境を確認
2文書作成通知・報告書・公文書のAI起案
3データ分析統計データの分析と政策調査
4住民サービス問い合わせ対応・窓口業務・情報公開
5倫理バイアス防止と責任あるAI利用
6防災災害時の情報発信と危機管理
7予算・調達仕様書作成、予算要求、コンプライアンス
8ツールキット実務に使える完全ワークフロー構築

What to expect: 各レッスンは12〜18分。演習は行政の実務シナリオを使用。このコースでのAI出力はすべて人間のレビューを経る——行政のAI活用はそうあるべきだから。

行政でAIが最も効果を発揮する業務

先進自治体の事例と総務省の報告に基づく、効果の高い業務:

業務AI導入前AI導入後AIの役割
報告書の起案6〜8時間2〜3時間初稿作成、構成提案、リサーチ要約
情報公開請求の処理数日〜数週間数時間〜数日文書検索、関連性フィルタリング、墨消し箇所の提示
議事録の作成2〜3時間30〜45分文字起こし、要点抽出、フォーマット整形
政策の影響分析1〜2週間2〜3日データ統合、他自治体との比較、利害関係者分析
住民からの問い合わせ対応30〜60分10〜15分回答文案の起案、FAQ照合、担当課への振り分け

Quick Check: なぜ行政のAI出力は必ず人間のレビューを経なければならないか?行政の決定は法的な効力を持ち、住民の権利に直接影響する。給付の不支給をAIが起案し、未レビューで送付すれば、適正手続きの違反になりかねない。AIは補助し、人間が判断する——これが行政AI活用の大原則。

データ分類:入力前に確認すること

AIツールを使う前に、入力データの分類を確認する:

分類AIツール利用
公開情報OK(多くのツールで可)公表済みの報告書、広報資料、議事録
業務上の非公開情報承認済みツールのみ内部メモ、政策案、検討段階の文書
個人情報承認済みツール+利用契約マイナンバー、住所、ケースファイル
機密情報民間AIは不可安全保障、捜査情報

基本ルール: 見知らぬ人にメールで送れない情報は、消費者向けAIツールにも入力しない。組織が承認したプラットフォームを使う。

Key Takeaways

  • 日本の行政AI活用は加速中——横須賀市をはじめ全国の自治体でChatGPT等の業務導入が進んでいる
  • AIは定型作業(起案・要約・データ整理)を効率化し、職員は判断力が求められる業務に集中できる
  • 行政のAI出力は必ず人間がレビューする——公的説明責任が求められるから
  • データ分類を確認してからAIツールを使う——公開情報はおおむね安全、個人情報・機密情報は承認済みプラットフォームで
  • まずは低リスク・高効果の業務から始める:会議準備、報告書起案、調べ物の要約

Up Next

レッスン2:行政文書とAIでは、通知文、報告書、議会向け資料のAI起案テクニック——「やさしい日本語」への対応や組織のトーンの維持方法も学ぶ。

理解度チェック

1. 日本の行政におけるAI活用の現状として正しいのは?

2. 行政でAIを使う際の最大の誤解は?

3. 行政データをAIに入力する前に、必ず確認すべきことは?

すべての問題に答えてから確認できます

まず上のクイズを完了してください

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