予算・調達・コンプライアンス
AI関連の予算要求書の作成、仕様書・公募要領の起案、法令遵守とコンプライアンスのポイント。
「予算がない」を乗り越える
🔄 前のレッスンで防災・危機管理のAI活用を学んだ。AIを実際に導入するには——予算の確保、調達手続き、法令遵守という「行政特有のハードル」を越える必要がある。
「AIを導入したいけど予算がない」「仕様書の書き方がわからない」「法令上の問題はないか」——これらは行政のAI導入で最もよく聞く悩み。
このレッスンでは、予算要求から調達、コンプライアンスまでの実務をAIで効率化する方法を学ぶ。
予算要求書のAI起案
以下の条件でAIシステム導入の予算要求書を起案してください。
導入目的:[例)窓口業務の効率化]
対象業務:[例)住民からの問い合わせ対応、FAQ管理]
期待効果:
- 定量的:[例)対応時間を1件あたり30分→10分に削減]
- 定性的:[例)24時間対応の基盤整備]
費用の内訳:
- 初期費用:[システム構築、カスタマイズ]
- 運用費用:[月額ライセンス、保守]
- 研修費用:[職員研修]
構成:
1. 事業目的と背景
2. 現状の課題(定量データ付き)
3. 導入内容と期待効果
4. 費用の内訳と費用対効果
5. スケジュール
6. リスクと対策
仕様書作成のポイント
行政のAI調達仕様書に必ず含めるべき項目:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務要件 | 対象業務、処理するデータの種類と量、期待する精度 |
| セキュリティ | ISMAP対応、データの国内保管、暗号化要件 |
| 個人情報保護 | 個人情報保護法・条例への適合、データ処理委託契約 |
| アクセシビリティ | 障害者差別解消法への対応、JIS X 8341-3準拠 |
| 運用保守 | SLA、障害対応時間、データバックアップ |
| 評価基準 | 機能、セキュリティ、価格、実績の配点 |
✅ Quick Check: 行政のAI調達で「ISMAP」が重要な理由は?ISMAPは政府情報システムのためのセキュリティ評価制度で、クラウドサービスが政府のセキュリティ基準を満たしているかを評価・登録する仕組み。ISMAP登録済みサービスを選ぶことで、セキュリティリスクを低減できる。
コンプライアンスチェックリスト
AI導入時に確認すべき法令・基準:
| 法令・基準 | 確認事項 |
|---|---|
| 個人情報保護法 | AI処理に住民の同意が必要か |
| 行政手続法 | AIの判断が行政処分に該当するか |
| 情報公開法 | AI利用の記録を開示対象とするか |
| デジタル庁ガイドライン | AI利活用の原則に適合しているか |
| 地方自治法 | 調達手続きが適法か |
Key Takeaways
- 予算要求は「定量的な効果」で議会を説得する——時間削減量、コスト換算、住民サービスの改善度合いを数字で示す
- 仕様書は要件を具体的・網羅的に記載する——曖昧な仕様は公正な選定を妨げ、導入後のトラブルにつながる
- 行政のAI調達はISMAP、個人情報保護法、アクセシビリティなど民間にない法的要件をクリアする必要がある
- AIで予算要求書や仕様書の初稿を効率的に作成し、専門的な確認は担当部門(情報システム、法務、財政)と連携する
- コンプライアンスは「制約」ではなく「住民の権利を守る仕組み」——理解して味方にする
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