はじめてのカスタム指示
RISENフレームワーク(役割・指示・構造・例示・微調整)で最初のカスタム指示を完成させます。深津式プロンプトとの関係も解説。
🔄 レッスン2で、カスタム指示の優先順位・メモリとの違い・日本語トークン効率を学びました。仕組みが分かったところで、いよいよ最初のカスタム指示を書いてみましょう。
深津式プロンプトからRISENへ
日本でプロンプト設計といえば深津式プロンプトが有名です。深津貴之氏(note CXO)が2023年に提唱し、ベストセラー書籍にもなりました。
深津式の4要素:
#命令書 — 何をさせるか
#制約条件 — 守るべきルール
#入力文 — 処理する素材
#出力文 — 期待する結果の形
深津式は「1回のプロンプト」に最適化されたフレームワークです。カスタム指示では、これを永続的な設定に拡張する必要があります。そこで使うのがRISENフレームワークです。
RISENフレームワーク
| 要素 | 意味 | 深津式との対応 |
|---|---|---|
| R — Role(役割) | あなたは誰か、何をしているか | #命令書 の一部 |
| I — Instruction(指示) | 守るべき行動ルール | #制約条件 |
| S — Structure(構造) | 出力の形式・長さ・トーン | #出力文 |
| E — Examples(例示) | 具体的なBefore/After | (深津式では省略されがち) |
| N — Nuance(微調整) | 例外・条件分岐・モード切替 | (深津式では省略されがち) |
RISENの強みは**E(例示)とN(微調整)**が明示されている点です。レッスン2で学んだトークン効率を意識しながら、具体例と例外ルールを含めることで精度が大きく上がります。
✅ Quick Check: 「丁寧に答えて」と「ですます調。結論先。200文字以内。」では、どちらがAIにとって明確な指示ですか?(後者です。「丁寧に」は定義が曖昧で、AIは解釈に迷います。具体的なフォーマット指定のほうが確実に反映されます。)
実際に書いてみよう
B2B SaaSマーケティングチームのリーダーを例に、RISENで書いてみます。
R(役割):
B2B SaaSスタートアップのマーケティングリーダー。
ターゲット: 中小企業のIT担当者。
チャネル: ブログ、メルマガ、X(Twitter)、ウェビナー。
I(指示):
- 日本語で回答。マーケティング用語は英語併記(例: 転換率(CVR))
- 主張にはデータや根拠を含める
- 日本市場の文脈を反映(Google検索、LINE、X)
S(構造):
- 結論先 → 詳細。200文字が基本
- コピーライティングはA/Bテスト可能な2案を提示
E(例示):
良い回答例: 「CVRが1.2%→2.8%に改善。主な要因はCTAボタンの文言変更(『無料で始める』→『30秒で開始』)」
悪い回答例: 「コンバージョン率が向上しました。いくつかの施策が効果的でした。」
N(微調整):
- 「速く」→ 3行以内
- 「レポート」→ ですます調、構造化
- 英語入力 → 日本語で回答
ChatGPTへの設置
ChatGPTの2フィールドへのマッピング:
フィールド1(あなたについて):
B2B SaaSスタートアップのマーケティングリーダー。
ターゲット: 中小企業IT担当者。
チャネル: ブログ、メルマガ、X、ウェビナー。
日本市場。
フィールド2(応答方法):
- 日本語回答。マーケ用語は英語併記(例: CVR)
- 主張にデータ/根拠を含める
- 結論先→詳細。200文字基本
- コピーは2案提示
- 「速く」→3行以内
- 「レポート」→ですます調
- 英語入力→日本語回答
フィールド1はR(Role)、フィールド2はI + S + E + Nです。
✅ Quick Check: 上の例で「E(例示)」をフィールド2に含めると文字数を圧迫します。省略してもよいですか?(トークン効率を考えると省略も選択肢です。ただし最も重要な1例だけ残すと精度が格段に上がります。レッスン4でトークン節約テクニックを学びます。)
Claudeとgeminiへの設置
Claude: プロジェクトを作成 → 「プロジェクト指示」にRISEN全体をペースト。さらにブランドガイドやスタイルシートをファイルとして添付できます。
Gemini: 設定 → 要請事項にR + I + Sを入力。業務別の詳細設定はGemsで個別に作成します。
まとめ
- 深津式プロンプトの4要素を永続設定に拡張したのがRISENフレームワーク
- R(役割)→ I(指示)→ S(構造)→ E(例示)→ N(微調整)の順で書く
- ChatGPTはフィールド1にR、フィールド2にI+S+E+Nを配置
- 日本語はトークン効率を意識して簡潔に — 修飾語を削り、数値で指定
- 具体例(E)が1つあるだけで出力品質が大きく向上する
次のレッスン
基本のRISENが書けたら、レッスン4では条件分岐、few-shotチェイン、XMLタグ、多重ペルソナなどの上級テクニックに進みます。
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